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75、温泉イベント?

「リリア様、これに着替えますよ。」


 渡されたのは温泉に入る時に着用する湯着という薄い布のワンピースだった。

裸で入るのではなくて良かった。


よし! 温泉でピカピカになって"濡れた犬の臭い"じゃあなくなるぞ!


なんと露天風呂だって。ジャパネオの文化を真似たそうです。


楽しみすぎる!


ウキウキでドアを開けた。


「あ、姫様来ましたか。」


先にロイドとアレスがいた。


混浴かい!!

驚きだよ!!


まあ、湯着があるからいいけど!


 なんとアレスも湯着を着ていた。男の人の湯着は上下に別れていた。

うわーーーーかわいい。

包帯や鎧以外の新鮮なアレスを見てニヤけそうだった。

もうなにを着ててもイケメンですよ。アレス。


ん? でもアレス今自分で動けないじゃん。誰が着替えさせた!?


「あれ? 包帯は?」


「そこですよ。洗いました。」


指差された先にほどいた包帯が、たらいに山になっていた。


「洗っていいの!?」


「そりゃ犬臭いですから洗いますよ。大丈夫ですよ。魔法で薬草の成分を定着させてあったようですから全部は抜けてません。3、4日位は持ちますよ。」


え? 3、4日しか使えないの? でも王都に行ったらフェルが新しいのを作ってくれるか……?


「シーラ、レイラ、それを乾かしてくれ」


「はい」


シーラとレイラが風魔法を使う。包帯が宙を舞う。そして上空で回り始めた。乾燥機みたい、すごい! 便利!

でもあれ大丈夫なの? 絡まったりしない?


て言うかアレスから包帯取っていいの?


「ロイド……アレス洗ったの?」

あと着替えさせたな。


「温泉に浸けてみようと思ったのですが、彼は洗う必要ないですね。犬臭いのは彼が身に付けていた物で彼自身は汚れていないし……森の中で私が彼を殴った時、首の骨を折ったつもりでしたが、彼は全くの無傷でした。まあ背中の傷は残ってますけど……」


「背中の傷?」

温泉に浸ける? なにげに変な事も言ってるよ。


「ご存知ないですか? あれは……いや、止めておきましょう。」


え? 話しかけて止めるとか、気になるよ。気持ち悪い。


それにしてもロイド、アレスが誰だか分かってるってことだよね?

いいのかな……?


「それよりせっかくの温泉です。姫様、良く洗ってもらってください。犬臭いのを」


微妙に悪意入ってません?


 マルタが入って来た。

私のようなストーンではなく。

シーラとレイラのようなスレンダーでもなく

マルタは凹凸がかなりある。

胸の辺りの湯着が薄いし、はち切れそうだ。

何もしていないのにエロく見えるのは気の毒かもしれない。


ダメ! アレスは見ちゃダメ!!

私は急いでアレスの向きを変えた。

良い子は見てはダメです!


「リリア様洗いますよ。」


自分で洗えるからと抵抗したが結局洗ってもらう事になった。

頭を洗ってくれて、湯着の上から身体も洗う。

これでフェンリルさんの犬臭さともお別れ出来た。


そしてお待ちかねの温泉に入る。


おおーーーー極楽。


夜の温泉は、なかなかです。


 空の星は見えるし、回りには魔法なのか魔法道具なのか、ぼうっと光る光の球体が浮かんでいる。温泉に光が写し出されて幻想的で美しい。

恋人同士で来たなら、さぞ甘い感じになったろう。


時々心地よい風も吹く。


気持ちいい。


こんなに気持ち良いならアレスも入れてあげたいな~。


アレスは私が向きを変えたときのまま佇んでいた(ごめんなさい)


「ロイドお父さん、アレスを温泉に入れるのは可能ですか?」


ちょっと丁寧に聞いてみた。


「可能ですよ。ただしはじきますよ。」


はじく?


「信じられない事ですが、彼の肉体にこちらから干渉は出来ないですよ。まるで時間が止まっているような……」


時間止まってるは合ってるよ。フェルが言ってた気がするから……


ーーで、干渉出来ないとはなんだ?


「じゃあやってみますか?」


ロイドがアレスの腕を掴んだと思ったら、温泉の中に突っ込んだ。


ーーーーーーーー!! 何すんのーーーーーーーーー(怒)!!


その後直ぐに引きあげた。

扱いが凄い雑! やめて!!


「見てください、彼、濡れて無いでしょう?」


本当だ! アレスは濡れていない。水が弾かれている。防水加工でもされてるのか?


「彼はここに居るのに居ないようなもの。別次元の存在ですかね。私はそう思います。そしてこれは彼を守っているようでいて違うもの、まるで呪いです」


「呪い!?」


「私は専門家ではありませんし、あくまで個人的な感想です。……だから結論を言うと温泉に入れる事は出来るが浸かれない。と言うことです」


そう言ってロイドは私の隣にアレスを座らせた。


「こうすれば一緒に入ってる雰囲気は出せますよ。」


なんか思ってた温泉イベントと違う。


隣のアレスを見る。


確かに一緒に入ってるぽいね。


アレス、この温泉傷に良いんだって。

アレスは傷とか怪我と違うかもしれないけれど……

どうか。アレスが自由に動けますように。

温泉の成分でも吸収してくれて元気になれば良いのに……


私は目をつぶりアレスが元気になるように祈ってみた。

温泉でする事ではないが……


その時私の身体がうっすら光っていたらしいが私は知らなかった。

その様子をロイドが見ていることも……























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