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68、アレスの事をもっと教えて欲しい

 目が覚めると自分が"濡れた犬の匂い"に包まれていた。


くさ!


 濡れた服は一応乾いている。だいぶ暖めてもらったようで、寒気も無い。

アレスのグショグショ包帯も何となく乾いているっぽかった。


「あの、フェンリルさんありがとうございました。とても助かりました。」


アレスが立ち上がる。やはり動きが変だ。


アレスがフェンリルの鼻先にぎこちなく触れる。


《よし。また何かあれば呼ぶがよい。》


何かアレスと意思の疎通があるのだろうか? アレスに語りかけている。


「あの~フェンリルさん、フェンリルさんはアレスに使役されているのですか?」


ちょっと質問してみる。


《使役?失礼な娘だな。我は誰にも従わぬ。しかしアレスとは困った時にちょこっと助けてやる約束を魔法で結んだのだ。しばらく呼ばれぬから退屈で寝ておった。》


ん? それを使役って言うのでは?


「アレスは今意識が無いようですが、本当にアレスが呼んだのですか?」


《意識がない? 無いわけ無いだろう? 何を言っている。まあ、ちょっとおかしな事になっているようだがな……お前を最初見た時驚いた》


え? どういう意味? 私?


フェンリルは大きく伸びをした。ワンコがよくやるお尻を上げたポーズだ。


《ふうっ……では!》と言って走り去って行く。


え? 早っ! まだ聞きたいこといっぱいですけど!?


「フェンリルさん待ってください! アレスの事、もっと教えて!」


あっという間にいなくなった。



もう一回呼んで欲しい………ムリか……?


アレスを見つめてみる。


ゴフッ


カッコいい……

ダメじゃん直視したら私が危ない……


いやいや、そうじゃなくて!!


もう一度アレスを見つめた。


カッコいい……そして相変わらず目は虚ろだ。

でもそこもいい!!

もう自分の目がハートになってそうですよ。


このアレスの瞳に私は写っているのだろうか?


アレスに、もしかしたら意志があるかもしれない?

これは大きなニュースだ!


きっとフェルが泣いて喜びそうな話だ。


いきなり現れ、いきなり帰ったフェンリル。もう少し親切に付き合って欲しかった。


 ここはどこだろう!?

 龍に襲われてどれくらい経ったの?

 皆は無事なの?

 どっちに向かって歩けばいいの?

 お腹すいた。


うわっ何も解決していない!!


よし今こそ妖精だ!でもどうやって使うんだろう?


 そういえば前にフェルから妖精さんを5年育てて私が15歳の時に役立てるとかなんとか言われた気がする。


 やっぱり使いどころは今では無いよね。

妖精さんに頼るのはやめよう。


とりあえず食べられそうなモノでも探そうかな。


「アレス、動ける?」


アレスの動きはおぼつかない。


私はアレスの手を取った。


「一緒に行こうね。」


 どさくさでアレスの生の手と手を繋ぐ。(包帯越しではあるが鎧の時より近い。えへ)


さあ、どっちに行こうかな?


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