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67、フェンリルとか言われたら異世界を感じる

 魔物だ!


恐怖のせいか物凄く大きく見える。


私は声もでない。


 持っている妖精と大きさが違いすぎる。

妖精で倒せるとは思えなかった。

やっと光明が差したと思ったらムリじゃん。


終わった。





二度目の人生がこれで終わる?


ーーーーーーーーーー?


 しかし魔物はこちらを見つめたまま動かない。


まさか見逃してくれる?


 私は魔物を見るのが初めてだった。


 龍だって、そうそういるものでない。龍の姿を確認することは出来なかったが、せっかくだから見ておけば良かった……でもそれどころで無かったし、マルタ達は無事かどうかも分からない。


そして今は何より自分が超ピンチ!

だって目の前に魔物ですよ。


 私のような子供は食べるとこ無いです。

アレスだって、包帯グショグショできっと不味いです。


だから向こうに行って!!


私はアレスにしがみつく。


魔物がゆっくりと近づいてきた。


デカイ!こんな大きな狼いるんだ!


蒼い、蒼い狼。前世のゾウ位ある気がする。


狼は私達の回りをグルグル回った。


え? どこにも逃げられないぞ、的なアピール?


いよいよ襲われるのかと思ったが、違うようだ。

どデカい狼は私を値踏みでもするかの様に上から下まで見詰めてくる。


《アレスに呼ばれたのだが、これはどういう事だ?》


頭の中で声がした。


「え?」


私は思わず周りを見る。勿論誰もいない。


やはりこの蒼い狼が話したのか?


アレスに呼ばれた?


私はアレスを見る。やはり動けないようだ。


蒼い狼は鼻をアレスに寄せフンフンと匂いをかぐ。

そのあと大きな舌でベロン!と舐めた。


私のアレス様が狼のヨダレまみれに!

舌が大きいので私もヨダレまみれだ。

大型犬ヨダレは糸も引いてとても迷惑。


「あなたは、誰ですか?」


とりあえず意思の疎通を図ってみた。


《娘よ、我を知らぬのか。我はこの鎮守の森を守る者、人間共は我をフェンリルと呼ぶ》


おお、なんかゲームに出てきそう。

異世界だよ!

やっぱここ異世界だ。うん、知ってたけども

改めて私は異世界に生まれたんだとか思ってしまう。


するとフェンリルは私とアレスをくるッと囲み座り、更に尻尾で包み込む。


モ、モフモフだーーーーーー!


暖かさとモフモフで生き返るようだった。


助けてくれるのかな? フェンリルは何も言わない。


"アレスに呼ばれた"……と言っていた。


アレスが助けを呼んだ?

まさか……とは思いながらそうだったらいいなと思った。


 隣にいるアレスを見る。アレスもモフモフに包まれている。

そして眠っているように見えた。


アレスの顔を見ながら、私は眠りに入った。


今はもう何も考えられなかった。










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