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66、詰んだ?

 ルートから外れたものの無事にエターナルに近づいて来たようだ。


 あと2日位でエターナルに到着らしい。


 クッキーを食べながら外を眺めていた。ずっと森が続いている。同じような景色だと飽きてくる。


 その時、バサバサッと大きい音と共に

ギャオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオーーーーーーー!!


聴いたこともないすごい声?!?


「龍だ!」


ロイドが叫ぶ!!


「姫様、マルタ、頭を守れ、伏せていろ!」


ギャオオオオオオオオオオオ!!


バキバキ! ドゴーン!!


すごい音と轟音が響く!


いったい何が起きているのか?


ドカン!


馬車が宙に浮いたのが分かった。


そして馬車が転がされる。


「キャーーーーーーーー」

私とマルタが悲鳴を挙げた!


あちこちに身体がぶつかった!

痛い! これは不味いのでは!? 馬車大丈夫!?


そして私の身体が宙を浮く。


馬車の窓が開き、私の身体が外へ投げ出された。


「姫様!」

ロイドが叫ぶ!!


ダメだ! 届かない。そのまま私は落ちる。


馬車は道から外れ、崖側に倒されていた。

そこから私は落ちたのだ!

結構な高さです……

これは……詰んだな。


 すると馬車からすごい速さでアレスが出てきた。

アレスは崖を蹴り、落ちる私を追ってきた。


アレス来てくれたんだね!

私を助けるために!!

嬉しい!

落ちながらそんな事を考えて自然に涙が出た。


バシャーーーーーーーーーーーーーーン!!


 そして意識は途切れた。



ーーーーーーーーーーーーー寒い。


 気がつくと全身が濡れていた。

崖の下は川だったらしい。

水の流れる音が聞こえる。

ここはどの辺なのか?

川に入って流されたりしていたらロイド達から離れていることになる。



 アレスが私を抱えて歩いている。

一緒に落ちて助けてくれたんだ。


 龍はどうしたんだろう。皆は大丈夫かな……



? アレスの動きがおかしい……


「どうしたの? アレス……」


 アレスの動きがどんどん遅くなり不自然だ。

そしてアレスが止まった。


「アレス?」


不味い! 私の体温も下がっていく。

アレスの鎧が冷たいし余計体温を奪われる。


「アレス! アレス!」


動かない。アレスは反応しない。


そうだ、この人は動かない。本来は動かないはずの人だ。


涙がこぼれた。


ダメだ。こんな事では……まず火を熾こさなければ

でも火を熾す道具はない。

助けを呼ぶにも何も持っていない。

今の私はスマホどころかマッチ一本持っていないのだ。


 どうしよう。

そうだ、せめて日向に行こう。森の中だけどお日さまの射すところがある。

一応昼間で良かった。


ドサッ


「キャンッ」


アレスがバランスを崩し倒れた。


抱き抱えられていた私は投げ出され転がった。


ゴロゴロッとなって木にぶつかる。


痛い!


そう言えば全身が痛い。


馬車でもあちこちぶつけていた。


擦り傷や打ち身だ。折れてるとかじゃなくて良かった。


 でもアレスの下敷きになっていたら危なかった。

きっと鎧の重みもあるし潰れる。


 さっき倒れる時にアレスが私を巻き込まないように放ったような気もする。


ありがとう、アレス。


とりあえず今は移動しよう。


アレスの腕を持つ。


うーーーーーーーーーーーーーーーっ重い!!


はあ、はあ、11才の女の子が180センチ以上ある細マッチョ男を持つことは不可能だった。


そうだ、鎧があるから重いんじゃん、鎧がなければ引きずって行けるんじゃない?


アレスの仮面と兜を取った。


アレスの美しい顔が現れる。


こんな時なのに、アレスの麗しさにゴフッとなった。


そして私の体温が少し上がった気がする。


 ところで鎧ってどう脱がすんだろう?


アレスが着る時によく見ておくべきだった。


何とか外すところを探す。重労働だった。手は悴むし、思うように動かせない。

それでも蝶番のような金具を発見し悴む手で外す。

何とか上半分を脱がすことに成功した。


アレスに巻いてあった包帯がグショグショのシワシワになっている。

アレスが動けなくなったのと何か関係があるんだろうか?


よし、これで重量は減った!


アレスを引きずろうとする。


うーーーーーーーーーーーーーーーーーっごかねえ!!


なんて非力なんだ私は!


でもアレスを置いていくなんて絶対ダメ!


そこで私は思い出す。首から妖精をさげていたことを……?


幸い小瓶は、割れていない。

今こそ使う時か!?

いやいや勝手に使うのどうなんだ?


悩んでいると音が聞こえた。



ガサガサッっ!


ん?


音がした方を見ると大きな大きな狼型の魔物がいた。


ひゃー!!

これはもう絶対絶命だ!!
















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