61、お茶会へのお誘い
夜になりロイドが帰ってきた。
オリゴン准将とのやり取りで余程疲れたのか、げっそりしていた。
朝から夜まであの准将の相手は大変だったのだろう。
こんなに遅いとは…あのままシャーロット様が待っていたらシャーロット様も夜までいたことになる。
恐ろしい…多少嫌味を言ってでも帰ってもらって良かった。
でもちょっとやり過ぎてないか心配でもある。
シーラとレイラから報告を受けたロイドが私の所に来た。
ロイドが私の頭をポンポンとした。
見るとロイドが良くやった的な顔で見ていた。
まあ、ロイドに鍛えられましたからね。
「姫様、あと二日の辛抱です。明後日にはここを立ちます。」
「わかりました。明日も私は病気が良いです。」
「明日はシャーロット様とお茶会の予定です。」
いや、行かないでしょ!普通。
向こうも嫌だって。
ところが翌日シャーロット様から是非にとお茶のお誘いがあった。
昨日の事を忘れたのか?と不思議だった。
「シャーロット様はひとりでこのスノウハイランドに嫁がれ、孤独なのでしょう。もしかしたら今後会うことは無いかと思われます。お茶会などたかが数時間共にいるだけ、是非出席してあげて下さい。」
ロイドに何か説得された。
そうね~まあ、ちょっとくらい付き合ってもいいかな…。
そんな訳でお茶会に行くことになる。
マルタは私をかわいい格好で出席させようと頑張ってくれた。
昨日擦りむいた手に絆創膏が貼ってあった。
あれはロイドが貼ってあげたのかと想像してしまう。
微笑ましい…
今日の私は淡いパステルグリーンのドレスだ。髪は二つ縛りの共布デカリボン手にはもちろんピンクのウサギ。これはかわいいわ~、かわいいぞ自分。
でも後ろにはゴツい屍戦士と戦闘執事みたいなのがいる。
私のかわいさ薄まりそう。
お茶会の部屋に案内される。
何人くらいいるのかな~? 途中で抜けちゃダメかな~?
そんな事を考えながら部屋に入ると……
部屋にはシャーロット様しかいなかった。
シャーロット様に良く似合う真っ赤なドレスを着ている。
相変わらず気の強そうな顔をしていた。
え? 他の人は?
まさかの二人きり!?
何かの罠!? とか思ってしまう。
「お招きありがとうございます。シャーロット様。他の方はいらっしゃらないのですか?」
思いきって聞いてみる。
まあ、屍戦士を連れた姫と同席はキツいか。嫌がられたのかな? 招待客全員欠席とかだったらヤバいよ。
するとシャーロット様はにっこり笑い、
「来ていただけて嬉しいですわ。今日はリリア様と私、二人だけのお茶会ですの。フフフ」
何か、怖いよ!
どうやら第2ラウンドが始まるらしい。




