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56、中間管理職のお父さん

 スノウハイランドの街にやっと着いた。


しかし先頭の方が揉めているようだ。


ロイドが見に行き戻って来た。


「時間がかかりそうなので、あまり介入したくありませんが私も交渉に参加してきます。」

と告げて来た。


 どう言うこと~? と思ったら、スノウハイランドの兵達が向こうのお偉いさんと共に屍兵の一個大隊が街に入るのを拒んでいるそうだ。


 そりゃそうだよね~

普通の人は屍兵に入ってほしくないよ。


 ところがオリゴン准将は本当は一個師団で来ても良いくらいだと主張し両者が譲らないらしい。

このままでは戦いが始まるかもしれない!まずい!


 仕方ないからロイドが落としどころを探りに行ってくるそうだ。


「シーラ、レイラ!」


ロイドが二人を呼び、どこからともなくシーラとレイラが現れた。


ちゃんと寒冷地使用のコートを着ている。二人共、ちゃんとついてきてたのね。良かった。


「私は姫様から離れる。あとは任せた。」

とロイドは言うと


「「お任せ下さい!」」

二人がぴったりの息で返事をした。


そのままロイドは前方に向かって行った。



 寒いから早く街に入れてくれないかと待つこと二時間。

やっとロイドが戻って来た。


私達の馬車の前にいた屍兵に道を開けさせ、馬車が進み始めた。


 ロイドはスゴく疲れた顔をしていた。

そして機嫌も悪そうに見える。

寒い中の交渉はかなり消耗したようだ。


どういう交渉になったのか聞いてみると、オリゴン准将に屍戦士30体、屍兵30体、そして私達に屍戦士5体と屍兵20体で手を打ってもらい、それ以外の兵は街の外で待機、となったそうだ。


オリゴン准将をどう納得させたかは、外に兵を置いていてもそれ以上の戦力の准将がいれば何も問題ないと言ってやったらご機嫌が良くなり、意見が通ったそうだ。


まあそこに持って行くまでの道のりが大変だったらしいが…


ああ、もう何て言うか…


私にはロイドが中間管理職のお父さんサラリーマンに見えてきた。


お父さん、お疲れです。


肩たたき券でも贈ろうかと思った。













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