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50、ヤバカップルの驚きの会話

 ロイドは仮眠をとっていたのかベッドにいた。


「今起きるところだよ。」


 そう言って起き上がりベッドに腰を掛けた。

髪がボサボサで上半身は着ていない。

ロイドは左腕を吊っていたが、寝ていたせいか今は包帯だけだった。今まで気が付けなかったが他にも身体中に傷があった。


 思ったより怪我が多かった。


これは是非ともフェルのハイポーションを飲んで欲しい。

頑張れマルタ!


 しかしマルタは動かない……あ、何も考えて無かったんだ! 今一生懸命考えてるっぽい!

かわいいなあ。マルタ……


「……どうかしたのか? おいで」

ロイドは手を伸ばしマルタを呼んだ。


「うん」

マルタがベッドに座るロイドの足の間に座った。

え? そこに座る!? その場所ですか?


「今晩から馬車だから君も少し休んだ方が良いよ。」

そう言ってロイドがマルタの髪をほどいた。


「あ、ダメなの。まだリリア様の用事があるの!」

ロイドがマルタの髪にキスをする。


「……君は姫様ばかりだね。」

今度はマルタの肩にキスをした。


うわ、ヤバイ。


「ロイドだって最近はリリア様と仲良くなったでしょ?」


「君が大事にしているからね。君の意見を尊重した。でもいつかお別れがくるのは変わらないよ。」


変わらないのか…


「その話はいや…」

マルタが目を伏せる。


「そうだね、ごめん。」

そう言ってマルタを後ろから抱き締める。


 二人のラブラブが止まらなくなったらどうしよう。

私はもう立派な覗き魔です。すみません。



 私がドキドキしていると、少しロイドの空気が変わった。


「……本当は今回、君を連れていきたくない。でも君を独りに出来ない。」


「私はずっとロイドと一緒にいたい。でもあなたに頼りきっている自分が嫌なの。夜、私の知らない私がいる。サリーとカーラは私のせいで亡くなったの?」


え? 亡くなってる!? サリーとカーラは辞めた筈では!?


「……知っていたのか。あれは君のせいじゃない。僕に責任がある。」


「キャロルがサリーの髪留めを着けていたの。あれは私がサリーにあげた物だった。間違える筈ないの。でもキャロルは焼却炉で拾ったと言ったわ。サリーもカーラも、処分したのね?」

マルタが泣き始めた。


えーーーーーー!? 処分て!? 


「二人とも戦闘メイドだ。覚悟はあった……何より遺体を利用されたくなかった。」

マルタに対し、いつになく冷たく言う。


私にはいつも冷たいが…


「だからって! ……ごめんなさい。私が言える事じゃないのに……」


 ヤバヤバカップルがイチャイチャしてどうしような展開になると思ったら、大変重い話になってしまいビックリです。


もう自分の部屋に帰りたい…


 その時、ロイドと目が合った気がした。


ロイドが立ち上がり部屋の隅にいる私に向かってきた。

え?隠密スキルちゃんと発動してるよね?どんだけ鋭いのか!


「ロイ?どうしたの?」

マルタが泣き止み不思議そうに見る。


こ、これはバレた!? まずい。


ロイドが私を捕まえようと手を伸ばした。


ああーーーー! 絶体絶命だ。


部屋の角にいたせいで逃げ道がない!!


捕まった!!








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