47、空間魔法
フェルと私の日常が戻ってきた。
フェルと机でボードゲームをしていた。
アレスは横に立っている。
ボードゲーム、前世の人○ゲームに似ていて自動で動くスゴいゲームだが決して映画のジュ○ンジみたいな危険なゲームではない。
何回やってもフェルは喜んでいるが私はもう飽きてきた。
「ねーフェル。ロイド、ケガしてるの治してあげられない?」
魔法があるなら治るよね?
「う~ん。どうかなロイくん頑固だからね~。ボクが行ったら嫌がるよ~ところでロイくんが戦ってるの見た? 魔法使ってた?」
「見たよ、魔法使って無いと思う。トンファーだった。あれ教えてくれないかな~」
「ぷっ…」
フェルが吹き出した。
「え? なに笑ってんのー?」
ちょっと膨れてみる。
「いやぁリリアがやってるのを思い浮かべたらね~」
フェルが勝手にウケている。
「あ! フェルはロイドの師匠!? だったら私、フェルに教えてもらえばいいんだ!」
ナイスアイデア! でもフェルがトンファーとか笑える。
「あれはボクじゃあないよ~ボクは魔法の師匠で体術は前侍従頭が仕込んだんだよ~まさかロイくんがあんな細マッチョになっちゃうなんてねえ……」
「じゃあ、フェル! 魔法教えて!」
憧れの魔法! フェルに教えてもらえばいいんだ!
いい先生が目の前にいたよ!
フェルは視線をはずした。
「…………リリア……人には向き不向きがあるんだよ~。リリアはね~魔力無いんだよ」
「え? どういう事?」
「魔力が無いと魔法使えない…」
えーーーーーーーーーーー!? ひどい! いつか使えると思って期待していたのに!
「あ、あれは? あのフェルがお菓子の出し入れしているやつ、アイテムボックスは? あれも魔法? あれだったら出来る?」
「あれも、ほぼ持って生まれたものだからね~出来ない人は少数だけど、出来ても空間魔法の容量は個人差があるよ~」
「どうやれば持ってるか分かるの?」
「ではやってみましょう…」
フェルが先生っぽくなる。
「では目を閉じて~自分の目の前に箱が在るのを想像する~……出来ましたか~? 箱の形や素材はなんでもいいよ~最悪箱でなくても良い、籠とか鞄でも良いよ~。具体的なイメージが出来たら目を開けて~」
目を開けてみる……なにもない……。
「フェル何もないよ」
「大丈夫、そのまま~〖アイテムボックスオープン〗と魔法の言葉を言いましょう。慣れてきたら頭に浮かべるだけで出来るようになるよ」
うーんあやしい
「アイテムボックスオープン!」
一応言ってみた。
なんか目の前に20センチ四方の白い箱がある。白い四角の箱には大きな[?マーク]が赤字でついている。
ださっ
こんな箱は想像していないのに…
でも、あった!
私にもあったんだ! 嬉しい!!
「フェル、あったよ、ちょっと変なのだけどあった!!」
「良かったね~リリア~、何個ありそう?」
「何個? 何個もあるものなの?」
「いや、個人差だよ~。一個なんだね。じゃあそこのティーカップを持ってボックスに入れてみましょう~」
私はテーブルの上にあるティーカップを取った。
この[?ボックス]に、カップを入れる?
どこから?
私は上から入れようとしてみた、何かぶつかって入らない、横からもやってみてムリだった、そりゃ無いと思いながらも下からもやってみた。
何処からも入らない!
「先生、カップが何処からも入りません!」
「そんな筈はないけど…?人のアイテムボックスは他の人には見えないからな~どんな箱なの?イメージ通り?」
「全然違うのが出た、[?]マークの入った四角い白い箱」
「へー珍しいね~文字つき~?普通のアイテムボックスじゃあないのかも…」
その後フェルが武器なら入るかも? と言ってナイフを入れようとしたり、食べ物入れようとしたり品物を変えてみたがどれもムリだった。
二人で相談しいろいろ試したが結局何も起こらない。
私のアイテムボックスはアイテムボックスではなくただの飾り?
かもしれない。
ガックリ……
ガックリしているとフェルが話題を変えてきた。
「あーでも姫巫女の力はある筈だから~今度踊りを教えるね~」
「踊り…?今もダンス習ってるよ」
「それは夜会とかで踊るやつだよ~ボクが言ったのは神事の踊りだよ~」
ふーーーん。なんかもう色々期待できないわ……ぐすん。




