表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
43/295

42、私のアレス

「お帰りなさいフェル!」

 フェルだ!! やっとフェルが帰ってきた!

心が一気に明るい気持ちになった。


「ただいま~リリア!」

と言ってフェルはアレスに抱きついた。


またか、リリアはこっちだよ!


「アレス~アレス~会いたかったよ~」スリスリスリスリスリスリスリスリ…

「あーアレス汚れちゃってるぅ…くすん、メンテしてあげないと~」


「あのね、フェルが行ってからいろいろあったの」


「うん話はあとで聞くね~。とりあえず、ひと月に一度のメンテをしないと……アレスを連れていくよ」

フェルがアレスを連れていこうとする。


 久しぶりなのにそっけないよフェル。

メンテをするって事は前に言ってたけど、約ひと月ぶりの再会だよ。

もっとこう何かないのかい!


 ん? ……アレスを連れていく?

私のアレス!

「待ってフェル、私も行く!」


「リリアは夜になってからおいで~その時にお土産もね~あとこれ」


代わりの屍戦士を置かれた。


がーーーーーーーーん

フェルが帰ってきて嬉しかったのに一気に落とされた!


 ああ、アレスを連れていかれたら私はもう空っぽだ~。

アレスーーーーーー!


 その日はダンスのレッスンの日だった。

もうステップはぼろぼろで涙がでそうだ。


「姫様、調子が悪いようですね」

いつもあまり感想を言わないエリザが私の残念感に呆れたのかポツリと言った。


 だってダンスどころじゃないの。

アレスがいない。アレスが……

私のアレス!!


 何かアレス中毒みたい……なにそれ


 そしてぼろぼろの1日がやっと終わる。

今日はもう早く寝ると言い続け、何時もより早く就寝。


 そして、アレスのところ……違った、フェルのところへ急いで行く!


 フェルの部屋につくと

「早かったね~」とフェルが言い、その横のベッドにはアレスがいた。


アレスーーーーーー!


 なんとそのアレスは、鎧を着ていない! ()のアレスだった。


「よ、よ、鎧……」

私がめちゃくちゃ動揺していると……


「鎧は直したやつ着せるよ~。あとコアの方も大丈夫だから身体に戻した~」

と普通に作業しているフェル。

アレスの腕に包帯のようなものを巻いている。


 私は、そーっと近付きアレスを覗く。


 生きているみたい……。


思わずそう思った。


 ベッドの上で横になるアレスは普通に眠っている人のようだ。

上半身にも包帯が巻かれている。その下はシーツがかけてあり、何も知らない人が見たら間違いなくケガの治療でもして眠っているだけの人にしか見えない。


 包帯がない部分の皮膚は普通の肌色だ。

ゾンビとかじゃない。


「フェル……どうしてアレスはこんなに状態が良いの? 前に見た屍戦士は干物だったよ」

素朴な疑問を口にした。


「そうだよ~アレスは30年前からずっとこの姿だよ。アレスの身体はね~"時間停止魔法"がかけてあるの~」


「時間停止魔法?」

そんな魔法あるの。


「そうだよ~だからアレスはこのままなの~。だけど本来時間停止されている人は動けないものなの~。屍兵の技術を応用したらイケるかな~って実験しはじめて、魂は取り戻したけど肉体と繋がらなくてね~参ったよ。でもやっとここまできたよ~新型のコアのおかげだね~」

ここで作業が終わったらしく、フェルがアレスから離れる。


 私はますますアレスに寄ってみる。


ゴフッ


破壊力がスゴい……


カッコいい……

なにこれ? ホントに人類? イケメンの星から来た?

もうドキドキしすぎて萌え死にしそうだ……


「リリア~お土産のお菓子あるよ~。おいで~」

フェルが声をかけるが、

アレスから離れがたい。お菓子要らないかも……


 それでもフェルがお茶を入れ待っているので、お茶のテーブルに着く。


用意されていたのはグリーンのお茶と温泉饅頭(?)だった。
















評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ