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36、湖畔のお城

 3時頃に湖畔のお城に着いた。


私は急いで馬車からかけ降りる。


 うわ~石煉瓦の作りに絡まる蔦。造りが王宮と違う、ごついお城ではない。私の憧れの○ンデレラ城のようだ。

湖畔に建つ○ンデレラ城…これは絵になる。

 石畳を走ってお城の方へ、石畳と同じ素材で壁がぐるっと造られているが湖に向けアーチが何ヵ所か開いており、そこから湖が見える。キラキラした湖面が美しい。


 ふと後を振り返ると、アレスとロイドしかついてきていない。

「あれ?マルタは?」


「彼女は陽射しが苦手なので、先に城に入っております。」


「え…」

そう言えば初めて王宮に着いた時もマルタは遅れて来ていたかも…?

そうか日差しに弱いのか。たしかにマルタ真っ白だもんね。日焼けしたら真っ赤になって水膨れとかできちゃいそう。日光アレルギーなのかもしれない?

マルタとお散歩したかったのになぁ…残念。

「マルタを置いて来ちゃっていいの?」


「問題ありません。」


嘘だ~!

あんなにマルタの事を大事にしてる癖に…

お仕事だから私に付いてこないとなんて、気の毒だわ。


「ロイド~。私この屍戦士(もちろんアレスの事)とお散歩してくるからロイドはマルタについていてあげて。」

その方がわたしもゆっくり出来て良いし…


「いえ、お供します。」


えーーーーーーー


 アレスが私を抱え、湖畔を一周した。

ロイドも付いてきた。

屍戦士もあと二人付いてきた。

屍兵も10人付いてきた。


多っ!!


なんか思ってたお散歩と違うものになってしまった。


それでも湖畔は美しく、そよ風も気持ち良かった。

久しぶりの外を満喫!緑がキレイで嬉しい。



 散歩からもどりお城に入る。

古いけれど素敵なお城だった。

「この城は王妃様がよく避暑にお使いでした。」

ロイドが説明してくれる。


 マルタ達が湖の見える部屋に夕食の用意をしてくれた。

シーラが私に給仕をしてくれ、夕食を終える。

すると大きなケーキを持ったマルタが現れ、全員からお誕生日おめでとうございます。と言われた。

 この世界にもお誕生日ケーキがあるとは驚きだった。

食べてみると結構スポンジががっちりしていた。前世のしっとりしたケーキを思い出したが、これはこれで不味くない。

 フェルと行ったお店クックモードで食べたしっとりしていたお菓子を思い出す。また食べたいな~

お誕生日ケーキは流石に私一人で食べるのは無理なので後で皆で分けてね。と伝えた。


 本当は皆と食事出来ればいいのだが、"姫と使用人は一緒に食事しません"と前にロイドにバッサリされた事があるので、大人しく一人で食べた。


 皆も食事を取らなくちゃだろうから、私は早めに部屋に引っ込む事にした。


 部屋は外から見ると塔の部分で大きなベランダのついた見渡しのいい部屋だった。高さは三階くらいだろうか。アレスが抱っこで運んでくれたのでらくちんです。

おお、"塔の上のお姫様"みたい。ラプン○○ルみたい?

カッコいい…


ベランダに出て星を見てはしゃいでいるとマルタがやって来て寝る支度をしてくれた。

「いつもありがとう、マルタ。日差しに弱いのについてきてくれてありがとう。」


「まあリリア様、私こそありがとうございます。馬車の中、楽しかったです。一緒にお散歩に行けずに申し訳ありませんでした。」


それからマルタは軽くハグをしてくれ、

「おやすみなさいませ。」と下がっていった。


 ハグをしてくれるマルタはお母さんみたいな愛情で包んでくれるようだ。

気持ちが温かくなって嬉しい気分になる。


 ちょっと前だったらこれでこの後凄く寂しく思ったかもしれない。

でも…

「アレス、一緒に星を見よう。」

しばらくアレスと星を見た。

 久しぶりに幸せ気分。そうだ。最近私の妖精さんにご飯がいってなかったかもしれない。お腹すかせちゃったかな?さあ、今こそ栄養を取ってちょうだい。首から下げた小瓶を見つめる。キラキラっと光った。返事をしたのかな?

今日は三日月、少し月光も浴びせてみる。あ、月光はもういいんだっけ?


 その夜は疲れていたのかすぐに眠りにつけた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーー。

ーーーーーーーーーー何時頃だろう?

ーーーーーーー誰かいる!?


「真夜中に失礼します。」

 突然ベッドにロイドが現れた!


ビックリした!!


ロイドさん夜這い先、間違ってますよ。












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