2、活気の無い街、素通り
そして王都ーーーーーーーーーー見えたー!
わくわく~ドキドキ~
森を抜けると見えてきた。デカイ。
こちらより低い位置にあるお陰で王都の全体像が見えた。
すっぽり城下町も飲み込んだ高いコンクリートのような壁。
奥に王宮があるようだがそこも壁に囲まれている。
高い城壁に囲まれた要塞のよう…
凄い技術だな~こんなのよく作ったね。中世位の文化と思ってたけど違うのかな?
でもなんか思ってたのと違う。シンデ○ラ城とかを想像していたのに…
まあこの厳つい馬車だもんね。王都も厳つい軍事要塞でも仕方ないか。
バカでかい門に護衛と同じ鎧の兵士が立っていた。
この馬車を見ると直ぐさま開門!
分厚い門がゆっくり開く。
おおー迫力あるね~と思って街の中を見る。
活気ある街…でもないか、
それなりに人はいっぱいいるけれど、全体的に元気がないような…
文化レベルは服装や街の建物を見る限り中世っぽい。
そしてやっぱりこの世界ってどっかで見たようなRPGのゲームのよう…まあ魔法がある世界だもんね。
わくわくしながら窓を覗くと、皆さんかなり馬車を避けて、さーっといなくなる。隠れられない人は目線を合わせないように下を見ている。
何これ? 何かに怯えているような……?
「お気になさらないで下さい。街の者は兵士が怖いだけです。」
とマルタが言い窓を閉めた。
「街中は馬車もゆっくり進むので王宮まで1時間ほどかかります。お疲れでしょうから、少しお休み下さい」
マルタが大判のストールを私に掛ける。お昼寝を勧めているようだ。
まあ、王都に住むのなら街なんて見る機会いくらでもあるだろうし、今ムリに見なくてもいいか。
なんかちょっとテンション下がった感じになってしまった。
兵士が怖い?うんまあ怖いかな?
何もしてないのに警察官を見ると緊張する的なやつ?でも街の人の反応は、それとは違うような…
空もどんより。気のせいか街全体もどんよりだった…
ここに来て急に不安になる。
おじいちゃんは逃げろって言ってた。
王都に来ちゃって良かったのかな?
本当におじいちゃんは私が王都に行くこと納得したのかな?
ちゃんとおじいちゃんと話をさせてほしかった。
マルタはともかくロイドの言うこと信じていいのだろうか?
と、目を瞑って考えていたら隣に座っていたマルタがそおっと席を立つのが分かった。
私が眠ったと思い向かいの席に移動したようだ。
向かいのロイドの座っている席の隣に…
何となく薄目で見てみた。
…………………ん?
なんか近くない?兄妹ってそんな距離感でしたっけ?
二人は視線こそ合わせていないけど超密着して座っている。スペースめっちゃ空いてるのに?
そしてどちらからともなく手を絡め始めた。指先を動かし手を繋ぎそうで繋がない。何度も繰り返し絡めている。
何これ?
手を絡めているだけなのに何かエロそうに見えてきた。
私がおかしいのかな?何これ?本当何?
あんたらデキてんの?
もしかして私が寝てる時いつもこんなだった?
そもそもこの世界って兄妹同士いいのか? しかも双子って聞いてるんですけど!
いいのか?
さ、さすが異世界!きっといいんだ。と思うことにした。
そのまま頑張って狸寝入りを決め込み、しばらくして本当にうとうとした頃に馬車は止まった。
ついに王宮に着いたようだった。
やっと降りられる………………ほっ
”何これ?”の連続で疲労感ハンパない