表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
291/295

290、新居だ!

 街中を歩きながら私達は自然に腕を組んで歩いた。


こんな風に一緒に歩くのは柚子時以来?


新鮮だ!

何もかもが新鮮だ!


 時々こうやってデートしようね。


そういえば【ナルセ·カズヤ】さんは商人でしたっけ?


「この先の道を曲がった所に家を買ったんだ。店舗と住居を兼ねた家……」


「うわあ凄い! おうちを買ったの?」


「うん、まだ何にも無いけどね……ベッドだけある……」 

アレスが照れながら言った。


 ん?


 そうでした、私たちは新婚さんです。

私は真っ赤になってうつむいた……


恥ずかしい……

恥ずかし過ぎて顔が燃えそうだ。

でも凄く嬉しい。


 ちょっと話題を変えないと”恥ずか死”してしまう。

「そういえば……お店って……何のお店?」


「ああ……チーズケーキ屋さんが最終目標だけど、暫くは迷宮で稼いだお金で生活と少しづつお店を作っていこうかと……モーモ村は人がいないから店を出してもお客来ないから無理という結論。それでエターナルに店を出すことに……」


 チーズケーキ屋さん! 本気だったのか!?

確かに一度目の世界で話してますね。


 私はチーズケーキ屋さんの若奥さん?


「チーズはモーモ村でバルクが作った物を仕入れようと思っている。自分たちでモーモを育てたいけどリリアはお姫様だからあまり大変な事はさせられないし……」


「もうお姫様じゃないよ。ナルセさんちの奥さんです」


アレスが吹き出した。

「はははっ、そうだね、よろしく奥さん」


 柚子の時の憧れの名前ですよ。

いつか成瀬柚子になっちゃうのを妄想してましたから……


 まさか別の世界で自分がナルセを名乗るとは……

嬉しくてスキップしそうだ。


「ここだよ」


 着いた家は大きくは無いけれどこじんまりとしたかわいい家だった。

まだお店と言う感じにはなっていないので二人で話し合って決めていけたらステキだと思った。


「地下室もあるし、なかなかいい物件だったんだ。ルカレリアの滞在員の人が探して紹介してくれたんだ」


 鍵を開けて中に入る。


中は本当に何もなくガランとしていた。


今日からこの何も無いところで生活か……


「どうかな? 勝手に決めちゃったけど……」


 アレスが後ろから私を抱き締めた。

背中にアレスの温もりを感じて心臓が早鐘を鳴らす。


 まだ家の中をほとんど見ていないけど……そんな事は新婚さんの私たちに関係ないのかもしれない。

 アレスが私の頬や首にキスをしてくる。

キスをされたところから体温がぐんぐん上昇しそうだった。


 アレス大好き!!


 抱き締めてくれる腕にも力が入った。


 私達は見つめ合った後にキスをした。


やっとこれで一緒にいられる。

そう思うと涙が出そうな位嬉しさが込み上げた。




 長かった。


離れている間、とても長かった。不安だった。




これからはずっと一緒にいられるね。




***********



トントン、玄関がノックされた。


「ナルセさん、お届け物です」


 やっと二人きりイチャついているところに何か来た!!


「何だろう……いいや……」

 アレスが居留守を使う事に決めた時によく知った声が聞こえた。



「アレス、リリア! 荷物だ!」


ラファエルの声!?


結婚式の会場で別れて来た筈のラファエルの声だ。







評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ