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27、屍も妖精もお腹は空きません

「屍戦士は何も食べないよ~」

 フェルが教えてくれる。


まあそうだと思ってたけど一応聞いたのよ。


「魔導コアが体内に入れてあるの。そのコアの魔力が尽きるまで動くよ~」


「魔導コア?」ってなんだ。


「魔導コアは一般的には三種類、魔力量によって色が変わるの~。沢山採掘される赤色の石は屍兵に使われているの。次が青ね。屍戦士に使われる~それから黄色が屍騎士になりま~す。」




屍騎士!?まだ見たこと無いなあ。見たくないけど…


「そして、そして~」フェルが続ける。

「更に自然石の黄色に魔力を入れようとすると割れて爆発するんだけど…ボクの研究と努力で30年少しづつ魔力付与し続け奇跡的に完成した魔導コア"白"がありま~す。」


「へーー。どこに?」


「アレスの中だよ~見たい~?」


いいです。


「あと妖精の事なんだけど…」


いそいで話題を変えて"妖精の小瓶"を取り出す。

「空っぽに見えるけど妖精いるんだよね?この子はお腹すかない?」


するとフェルはクスクス笑ってーーー

「リリアは優しいね~屍戦士や妖精のお腹の心配して~」


え?変だったかな?

「だってせっかく妖精見つけたのに、死んじゃったらかわいそうだし…」


「うん。良いと思うよ~妖精を大事にしてあげるのは~ラフランの妖精は10年間月の光で魔力を溜めて生まれる。生まれてからは、人の幸せを栄養に成長していく。そして魔力を使って願いを叶えて消えてしまう。多分妖精の国に行ってしまうとボクは考えているんだがこれには色々な仮説がたてられている…」


フェルの語りにだんだん力が入ってきた。


「叶える願いによって魔力量は変わるんだ。だって飴ひとつ欲しいって願いと大金持ちになりたいってのが同じの筈がないよね。つまり大きな願いを叶えたければ、妖精にいっぱいの栄養をあげ続けないとなんだ。特にこの世の(ことわり)を変えるような願いなら…」


フェルの語りが熱くなっていく。もう語尾も伸びていない。テンション上がると語尾が伸びると思っていたが、テンションMAXだと語尾は伸びず早口になる。私の仮説。


「そこでボクはリリアに5年は妖精を育てて欲しいと思っている。そうすれば君が15歳になったら君の助けになるよ~」


「どう言うこと…?使っちゃだめなの?」


「ボクとしては、取っておいて欲しいけどね~何故かはリリアがもう少し大きくなったら、少しずつ話していくね~。」


う、子供としてあしらわれたような…フェルが思っているより私大人なんだけど…。

でもこれを言うと背伸びしてる子供みたいになる。『もう私、子供じゃないんだから!』って思春期の子が言いそう!?









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