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256、顔向け出来ない感じ?

 ロイドが本宮から帰ってきた。


お父さんのお帰りだ。


 みんなで玄関にワラワラ行ってみる。

一階にいたエリザやシーラとレイラも出てきた。


 ロイドの眼帯姿もちょっと見慣れてきたが少し胸が痛む。


「ああ、何だ、また来てたのか……」


アレスを見てロイドが言った。


 そう言えば二人がちゃんと会うのはあれ以来?

いや、そんなことは無い! 違う、私たちのデートで出掛ける時に出掛けるお許しを貰ってるので話していた筈だし、出発の時ロイドが姫様は子供だって念押ししていた……でも何となくアレスがギクシャク?

加害者ですからね。

私以上の胸の痛みになってしまうだろう。


 私とのデートの許しを得る為にきっとものすごく気まずいのを我慢してロイドにお願いに行ったのだろう。


アレスのプチ苦労が思いやられた。


これは結婚は秘密で正解でした。


メイドさん達はロイドの右目を取ったのはアレスって知らない訳だけど本人は気まずいよね。



 するとロイドがアレスのオデコをコツンと、どついた。


何すんのーーーーー!!


と思ったがその後アレスの頭をガシガシ撫でた。


「いつまでもそんな顔するな、お前は勇者だろう?」


そう言ってメイドさん達に向き直り


「許可がおりた。引き続き準備をしてくれ! ただし荷物は最小限だ」


メイドさん達の顔がパアアッと明るくなる。


「「はい!」」


皆、嬉しそうにバタバタと動き出した。

何が始まるの?


それからロイドは自室の方へ行ってしまった。


その後をマルタとチビリルが急いで追って行った。


チビリル、ロイドに結婚の事言わないでね。頼むよ。


あれ? アレスが気まずそうなのは、こっち?

私と結婚したことで気まずいの?


いや、目の事と結婚のダブルでロイドに顔向け出来ない感じ?



 私はアレスの顔を見た。


「アレス、ロイドは目の事気にしてないよ」


「うん、わかってる……強い人だよね。あの人が勇者やってくれればいいのに……」


「ロイドは勇者似合わないよ。やっぱりアレスじゃないと……アレスがカッコいい!」


アレスが私を抱き上げオデコをつけニコッと笑う

「リリア、かわいい!」


 かわいいのはアレスの方だよ。かわいい!!

少年ぽさがかわいい!

アレスが一番です。


「皆喜んでたみたいだけど何してるのかな?」


「……ロイドさんはね。俺が過去に行くのあまり良く思ってないっぽい」


そうなの? それと何か関係あること?

「アレス、私ロイドと話をしてくる」


「俺も行くよ」

 気不味いのに一緒に来てもらうのはアレスに悪いと思ったがアレスが自分から私を抱えたままロイド達の部屋に向かってくれた。


 屍戦士の格好のアレスには何度もこういう形で運ばれたが鎧を着て無いアレスに運ばれるのって照れちゃうのは何故だろう。

お姫様抱っこだから?

実感ないけど私って本物のお姫様だし、これが真のお姫様抱っこ!!


 今は屍戦士の鎧が二人の間を邪魔しない。

思わず密着してしまう!


 アレスとくっつけるのは幸せ。


部屋の前でアレスは私をおろしてノックする。


「はーい!」

マルタが出てきた。


「ロイドに聞きたいことがあるの」



「何ですか?」

ロイドが顔を出す。


私の後ろのアレスを見て

「姫様の部屋で話しましょう」

そう言って自室を出て扉を閉めた。

















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