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243、剣の御披露目

「どうしたのアレス?」

こんなアレスは初めてだ。


 いや違う前にあった!


 和くんの時だ!


転生前に悩んでいた時の和くんだ!


 あの時は私はちゃんと話を聞いてあげられなかった。


話を聞くどころか彼を責めて追い詰めていたと思う。


 でも今は彼の言ったことが正しかった事も分かっているし、柚子時よりも経験値もきっと上がっている。


ちゃんと、今度こそちゃんと話を聞いてあげないと!!


幼いリリアに引きずられないように、彼が何を言っても感情的にならずに冷静に聞こう。


 私はアレスを抱き締め返した。


私は柚子の時よりもきっと大人の対応が出来る(はずだ!)


「アレス、何か悩みがあるなら言って! ちゃんと聞くよ」


「……悩みって言うか……悩みなのか……?」

アレスがぼそりと言った。


なんだろう?


アレスが片手で私を抱え直して右手に剣を出した。


カッコいいな、私も武器の出し入れ出来たらいいのに


「これは能力が封じられた状態の勇者の剣だ」


ああ、前に勇者の剣にしてはショボいと思った普通の剣。片手剣だから細身の剣。


すると大きさと形が変化して透明の輝きをもつ大型の両手剣になった。

これは美しい!!


「これが【第一形態エルシオン】主に光属性の剣だね。前回はこれだけで戦った」


おお、近くで見るの初めてだ。キレイな透けてる光の剣。


 またしても剣の形が変わる。

今度は大きさは同じくらいで流線型の炎を象ったようなでもちょっと禍々しさがある赤と黒の怪しい大剣。街で暴れていたアレスが使っていたものだ。


「これが【第二形態ジルニトラ】これは炎、爆焔の剣だね。こんなナリだけど浄化の焔が使える」


 また剣の形が変わり出す。

この前見たばかりの歯車剣だ。これは歯車が動くと少し形状が変わったよね?


「これは【第三形態クロノス】時間を操れる能力が使える。そして最後に……」


 また剣の形が変わり出した。

今度は初めて見る。


「これがさっき完成した魔眼の剣。【第四形態バロール】……」


 大きな流線形の緑色と金色の剣に大きな翠の瞳がギョロっとついている。

物凄く大きな目だ! しかもこっち見た!! 悪いがこれは気持ち悪い!!


「魔眼をあまり見ない方がいいよ」


「う、うん……この剣て、もしかして……?」


「そう、ロイドパパの瞳を吸収させて完成した」


ロイドの右目が材料!?

これは本人についてた時の方がはるかに美しかった。

まさかこんな妖怪みたいな剣になるとは……


 アレスが剣をしまう。


「御披露目おしまい」


あ、私に見せてくれたってこと?


「はっ! まさか……アレスの悩みは……? 第四形態が思いのほか、キモかったとか?」


 アレスが目を丸くしたあとブフッっと吹き出した。


「それってすごい悩みだね! あはははっ!! そうだね。あんな綺麗な人からこんな剣が出来ると思わなかったけど……キモいって……ひどいな……フフフ……」


 そのままアレスはしばらく笑っていた。

何かツボに入ったらしくアレスの笑いが止まらない。


さっきまでの暗い顔が嘘のようだ。


 アレスが笑ってくれたのは良かったが何か複雑な気持ちになった。


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