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23、ステキなプレゼント

「あのね~リリアにプレゼントがあるの~。」


 フェルの部屋に遊びに行くとフェルがプレゼント宣言をしてきた。

しかもフェルの隣にはフェルより大きい何かに布がかけてある。これがプレゼントっぽい。でかい。

プレゼント…フェルにはもう沢山貰っているような気がする。物理的にも精神的にもだった。

それに対して私は彼に何も返していない。


「あ、ありがとう…でも…あのね…」

貰うばかりでは良くない。何かお返しを考えねば…。

でも悲しい事に私個人の持ち物って何もない。

私は貰うばかりの人だ!

……考えていたらフェルが心配そうに見て来ておろおろしだしたので、今思ったことを伝えた。

すると…

「前にも言ったけどボクはねぇリリアからいっぱい元気をもらったよ~。アレスをずっと待っていて疲れちゃったボクにスッゴいいっぱいの元気をくれたんだ~沢山貰いすぎてボクも返せないくらいだよ。どうしよう……」

と真剣にフェルが悩み始めた。


「そんなのお返しなんて、いらないよ!」

と私が言うと、にっこりしたフェルが


「そうだよね~友達だもん、だからリリアも気にしないでボクのプレゼント受けとってくれる~?」


こりゃ受け取るしかなくなった。


 でも何だろう、やけに大きなものだな。

フェルは私に"わくわく"をいっぱいくれる。

だから今回も楽しいものに違いない!


 ところがフェルはプレゼントを布で覆ったままで布に向かって何かごにょごにょ祈りをささげ始めた。


なにしとん?


そして最後に抱き締めた。

満面の幸せ顔で…


な…何をしてらっしゃるのかしら?フェルさん?


「ど、どうしたの?フェル?」


「う~んちょっとお別れを…でも1ヶ月に1度メンテで返してね」

しがみつきながら言う。


?返して?メンテ?

「フェル?もしかして大切なものなの?無理してプレゼントにしなくていいよ。それにこんなに大きい物を持って帰れないから、ここに置いておくのでいいんじゃない?」


するとフェルは、

「ダメだよ、ちゃんと連れて行って。この為に隠し通路の穴も広げたから通れるよ」

なんか凄い真面目に答えてきた。


 そして最後に

「じゃあ行ってらっしゃい。リリアを守ってあげてね。アレス。」

と言い、布を取った。


 そこには黒い鎧に仮面を着けた屍戦士が立っていた。


ーーーーーーーーーーーー屍戦士!!!!!?

ーーーーーーーーーーーーアレス!?


 もう口を開けて私は固まった。


 そうだ。私はグロいのが苦手。でもちゃんとフェルに伝えていなかった?痛恨のミスだ。まさかフェルの大事な大事なアレスをプレゼントとか言い出すとは!?


 フェル~、街の人達が屍兵を怖がってるのを知らないの? 王宮の人は麻痺してるのか怖がらないけど普通の人達はみんな怖がるのよ! 私が変ではないと思う。

 どうして分かってくれなかったのか……まあ、言って無かったけど、出来れば自然に悟ってもらいたかった。


 大事な大事なアレスを私が断ったらフェルはどうなってしまうのか…


「やっぱり最後に顔を見ておこう」

フェルが言い、仮面を外そうとする。


ぎゃーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!

ちょっと待てい!!

フェルを遮る。

「フェル私、毎日来るよ。だから最後じゃあないよ。それにフェルが寂しくなっちゃうからアレスはこのままフェルの家に置いときなよ。」


「……ダメ。リリアはこれから危険な目に合うと思う。だからアレスが必要になる。アレスの事は大事だけどリリアも大事なの。」

また真面目な顔で言われた。


 私、危険な目に合うの?何故!?


 そしてこのまま強引にアレスを連れて私の部屋に来る。そしてバレないようにと私の部屋の前にいる屍戦士を連れて帰った。


「アレスは一応リリアの言うこと聞くはずだから安心してね。」


安心、出来ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん!!!


















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