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226、魔王城潜入

 私は何故か着ぐるみウサギを着て本宮の中にいた。


 何故こんなことになっているかというと、ロイドが行ってしまった後にアレスが本宮に行こうとしたのを止めたら

「じゃあ一緒においで」と言われた結果である。


とんでもねーーーーー!!


 私は本宮には王都に来てから一回しか入った事がない!!

初めて来た時は訳もわからず、父かもしれないヴァリアルに顔をチラ見されただけで終わった。


 あの時はヴァリアルに魔王が入ってるとか全く知らなかったが、私の中では今でもヴァリアルに父要素を全く感じられない。


 この2年ですっかり私のお父さんはロイドのような気分になっている。

まさか私、ロイドにすでに魅了されてるってこと?

アレスに言ったら爆笑された。

【魅了】ってそう言うのじゃないって。

アレスの笑いが暫く止まらずに困った。


「でも魅了スキルがなくても彼は十分魅力的だから俺も好きだよ」

と言って来たので

アレスが魅了されていないか心配になってしまった。

BLだけはヤメテクダサイ。

貴方は私のアレスです!!


 その後本宮に忍び込むのに"隠密"スキルを使うと言うので着ぐるみウサギを着て見せた。アレスはそれを見てかわいい、かわいいと10分くらい大爆笑していた。

いちいち爆笑されてメンドクサイ。

そしてなんか嫌。



 着ぐるみウサギは私が少し大きくなったせいでちょっとキツくはあるがなんとか入った。来年はもう着られないだろう。


 アレスはフェルの犬の着ぐるみを着るのか、と思ったらアレスは普通に隠密スキルを持ってるそうでした。

 それにフェルよりアレスは大きいので全く着られそうもなかった。


 そしてアレスは一応仮面をかぶり、私を抱えて本宮に忍び込んだ。


 着ぐるみウサギの隠密スキルは触れられると解けてしまうものだったが、隠密スキルを使うもの同士が最初から触れている場合は大丈夫らしい。


 本宮は後宮と違い造りがかなりデカイ。

立派な造りではあるがなんだか全体が暗い。もっと明るくしても良いと思う。


 遂に来た魔王城!!

ラストダンジョーン!!!!

 この二年、全く足を踏み入れずにいた伏魔殿だ!!

ていうか、私が一緒に行くのって本当にどうなん?


 まあ今日は下見ってことだよね?


大きな廊下で魔族の兵士と何人もすれ違う。

人外の異形の者が多い。

こんなのが私のご近所さんとして本宮に住んでるの!?

これは吃驚!


 私はそれだけでかなりビビっていたが、アレスは全く気にしていない。


 こんなに近くにこんなに魔族が暮らしているショックが大きい。

後宮がいかに平和か思いしらされる。


 屍以外に魔族がいっぱいだよ。

魔王城だからか?

魔王が目覚めなくても、もうダメじゃん!


 それにしても多くない?


魔族の兵士達が大きな部屋に入って行った。


兵士……?

と思ったが隊長格なのかそれぞれ偉そうだ。


 それぞれが違う形の異形だ。種族とかが違うのだろうか


細長いテーブルに椅子が置いてあり、それぞれが席に座っていく。


なんだこれ?


作戦会議的なヤツ?


 一番奥の上座(?)に知った顔がいた。

ウォルター様だ。

前回見たときよりも今日は人外なお顔に見える。

怖い。

そう言えばこの人、将軍なんだっけ?


 前に会った時はウォルター様の魔力圧で押し潰された私だったけれど、アレスの耐性の指輪のお陰なのか今日は大丈夫だ。

それに大好きなアレスが私を抱き締めている。

だから大丈夫。


 ウォルター様の他にあと二人ほど将軍席にいる魔族がいた。


何だろう、四天王的な?

あ、でも三人しかいないから四天王とは言わんか。


ゴツい鬼のような角の生えた男、緑の鱗っぽい肌がテカって気持ち悪い。尻尾もある?


隣は女性のようだ。女性の魔族。ピンクっぽい肌にマルタに負けないボンキュボンだ。水着かよと思うような露出の多さで赤い巻き毛が地面までつく。

かなりの美人と言えるだろう。


 そして今日のウォルター様、目が赤い、爪が長いくらいでこの中ではちゃんと人型なのに迫力が在って怖い。


 私は思わずアレスにしがみつく。

隠密スキルを使用し更に天井の高さを利用して上に登り、梁部分に隠れたけれど見つからないかもうドキドキだった。

アレスはにっこり笑う。

「そんなに緊張しなくても大丈夫だ。見に来ただけだし」

 私を安心させる為に微笑んでいるのかわからないが、

勇者が魔族の作戦会議を覗いて見つかった場合ただで帰れるのか…そんなわけない!!


 扉が開き、更に知った顔が入ってきた。


ロイドだ。


魔族の中から「人間」「人間」と非難のような声が漏れていたが、本人は何処吹く風で優雅に椅子に座った。


「こんな物に出席しなくちゃなんてロイドパパは大変そうだな」

アレスが呟く。


確かに!

何てったって、この中で唯一の人間じゃない!?


ちょっとキツイよね。

後ろからバクリとかされない?


ますますドキドキしてきた。


 ふとロイドがこっちを見た。

一瞬、目を見開いた何とも言えない顔をしたかと思ったが、すぐに見なかった事にしたらしい。

涼しい顔をしている。


うわーーーーー!



もう! 見つかってるよ。

後で怒られそう……

そっちの方が怖いかも……











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