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225、本人に言って

 私達ってやっぱり両思い

~でルンルンだった所に

アレスとエリザが仲良さげに話しているのを見てしまった。


 ううん、私はもう動じませんよ。

だってアレスは私の為にメイドさんとも仲良くコミュニケーションをとっているわけですから……


 でも気にならない訳ではない!!


「ありがとう。エリザ」


なにやらお礼を言っている。


私はドアの隙間から家政婦のように見ていたのだが、アレスがぐいっと開けて


「何してるの?」と聞いてきた。


またヤキモチです。とは言えずに黙っていると

何かを察したアレスが


「何でも無いよ。本宮の事を聞いてたんだ。エリザはたまに本宮に行くことがあるって言うから……」


「本宮?」


「そう、本宮。ちょっと行ってくるよ」


「う、うん。」

本宮、ちょっと行ってくる……。

ちょっと行ってくる!?!?


「ちょっと待って!!」


「ん? 何?」


「本宮ってラストダンジョン……」


「…ああ、大丈夫ちょっと見てくるだけだから…」


「ちょっと見てくる? 様子を……?」


「うん、ヴァリアルの様子を見てくるよ」


そっかヴァリアルの様子を見に行くのか……




ーーーーーーーーーーーーー!!!


ヴァリアル、魔王じゃん!?!!


そんなちょっと近所のコンビニに行くノリで行くのか?


 コンコン


ドアがノックされた。


「アレス、いるか?」


ロイドが来た。丁度良いところに! ロイドに止めて貰おう!!


「はい、います。何ですか?」


「お前昨日……屍兵の工場の一つを潰したそうだな?」


屍兵の工場?


「ああ、だってあんまり増やされてもね。街に行くときに見つけちゃったから……つい」


ロイドがため息をつく。


「あまり派手なことはするな。勇者復活がもう完全に確実な物になったぞ。お陰でこの後に召集される事になりそうだ。あと……この前の話……了解した」


この前の話?


「え! ホントですか? まさかOK出るとは! 嬉しいです。ありがとうございます!! リリア、良かった!」


「違う!! 姫様の方の話じゃない! 姫様はまだ子供だ! 私はまだお前がちゃんと姫様を幸せに出来るのか見極め中だ」


「リリアの事じゃないなら、あの事ですか……その話の方が断られると思ったのに……」


「いいんだ。これで第一線から退けるだろう、それにお前がどうしても必要だって言うからだぞ。ただ、こちらの希望は通してもらう。私の立場を考えて欲しい」



「勿論です。感謝します」



「その言葉は、無事に手に入れてからだろう?」


そう言ってロイドは帰って行った。


 何の話だったのか?

ひとつは私に関わりありそう。もうひとつは……?


私が不思議そうにしてると……


「リリアと結婚したいって言ったんだ」

アレスがとんでもないことをサラリと言った。


「そう言うのって普通本人に先に言うよね!?」

嬉しい! 嬉しいけど先に本人だよ!


「だってリリアは子供だから先に保護者(お父さん)に言っておかないとダメかなって……」


そうだよ子供だよ! じゃあ結婚ムリじゃん!!

悲しい!! 悲しいよ!!

ていうか嬉しいけどそんな無理な話をロイドに真面目にしたの?

ちょっと恥ずかしくなっちゃうのは私だけ?


「ロイドパパには2つのお願いをしたんだ。まさか自分からいいぞって言うとはね。どう説得しようかと思ってたのに……」


「ひとつは私と結婚? もうひとつのお願いは?」


アレスはちょっと困った顔をして……


「彼の寿命を少し伸ばせると思うけど……俺がリリアに嫌われないか心配だ」


と言ってそれ以上は教えてくれなかった。


私がアレスを嫌う?

そんな心配絶対ないのに!




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