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224、指輪の秘密と双子の秘密

「リリア?」


 ついに私は泣き出していた。


フェルが起きてしまわないように声を殺して泣く。


 思えばローリング泣きやギャン泣きはストレス解消にもってこいだ。


 でも付き合わされる方はきっと大変だろう。

いつものロイドの苦労が思いやられた。


アレスにそんな事は絶対にさせたくない!

嫌われたくない!


嫌われたくないのにーーーーーー!!


どうして私は12歳の女の子なんだろう。


どうしてこんなに子供っぽいのか。


どうして私はこんなにアレスと釣り合わないのか。


ぐすぐすっ


アレスはちょっと固まってから……


「どうしたの?リリア……そんなに指が痛かった?」


困っている。

確実に困らせている。


嫌わないで


私を嫌いにならないで!!


えぐえぐっ


変な泣きかたになってきた。


ダメーーーー! これ以上泣いてはダメーーーー!!


アレスは私の怪我をしている方の手を握った。


「リリア……ごめん。俺の焼きもちで痛い思いをさせちゃったね」


怪我をしている指に口付けをした。


え!? 何?


あまりの事に泣き止む私。

泣き止めて良かったわ。


王子様みたいな行動をされると照れてしまう。


あ、でもアレスって王子様でもあるのか。

エターナルの第二王子でしたね?


私の個人的な王子様であるのは間違いないし


「やきもちで……?」

ヤキモチ焼いてイラついてたのは私の方ですが?


 アレスにそんなやきもちを焼くような要素があるの?


アレスは困ったように一度目を伏せてから真っ直ぐにこっちを見た。


「リリア、その指輪ね。耐性が上がるんだ」


「うん。聞いてるよ」


「そっか、良かった。だったらつけていてくれる? ずっと!」


ずっと?


「いつもつけてるよ」


「うん、わかってる。痛くしたら直ぐに治そう。だからつけててね。特にロイドパパの前では!」


ロイドの前で?

ますますわからん?


アレスは少し気まずそうな顔をした。

「だってリリアがロイドパパを好きになったら困る」


私がロイドを? 何言ってるの?


「リリアは子供だから影響受けづらいと思うけど心配なんだ。俺の勝手な気持ちだけど、本当にあの人ヤバい……」


「何言ってるの? アレス?」


「えっと……リリア、あのね。ロイドパパはね。【魅了】の能力を持ってるんだ。本人無自覚のね。いつも発動している訳ではないと思うけど、あの人が本気で落とそうと思ったら誰も抵抗出来ないよ」


「何言ってるの? アレス?」


「だからね。指輪していてくれないか? 【魅了】されないようにしてくれ! ね? 直撃受けるよりマシだ」


「何言ってるの? アレス?」


「あのルカレリアの双子はヤバいよ! 本人達がお互いにしか興味がなかったから良かったけど、もし他の者を支配しようとしたり自分の物にしたいとなったら耐性の弱いものは速攻やられるね! ある意味世界を滅ぼす力だ」


「何言ってるの? アレス?」

ルカレリアの双子って、マルタも入るの?

マルタは他人を誘惑しようなんて絶対にない。


「今のところ発動していないようだけどもしその気になれば恐ろしいよ……下手すると周りの人みんな愛の奴隷にされちゃうよ。本人にその気がなくて良かったよ。あの二人がくっついた事で平和にバランスがとれてるんだ。でもロイドパパの方は魔眼成長と共にそっちも強くなっていく。リリアの事が心配で心配で……」


「私が……心配?」


「そうだよ、リリアは俺の一番大事な人だから、他の男に目がいったらショックだよ」


「ヤキモチ焼いていたのは私だけだと思ってた。だってアレス……メイドさん皆とすぐに仲良くなっちゃうし……」


「それは……皆にはリリアがお世話になってるから、何よりリリアに会いに行くのに行きやすいようにだよ」



ぎゅっ!

ハートを捕まれた気がした。


もうなに? アレスってば全部私の為なの?

私の為? ホント?


「仲直りだよリリア」


アレスがおいでと両手を広げた。


私はそこに飛び込んでぎゅっっとしてもらう!


大好き、アレス!


お互いでヤキモチ焼いてるなんて、私達ってすごく息があってる(?)んだね。














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