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217、複雑な人間関係

 アレスが鎧を着ている。


 エリザはアレスと話をしたいのか扉の外でソワソワ待っているようだ。


 マルタとサクラコも待っている。


 昨日あれからマルタに会っていなかったが何事もなく元気そうで良かった。

エリザも昨日閉じ込められたが大丈夫だったようだ。


みんな無事で良かった。


 ロイドもいつも通りっぽい。

怒っているロイドは怖いけど昨日のヤバい怖さではないのでちょっとホッとしてしまう。


「お父さん、兜かぶらなくっていいよね?」

アレスがロイドに聞く。


ロイドがムッとしたまま頷く。


「エリザ……いいよ。入って来なさい」

ロイドが扉を開けてエリザを中に入れてあげる。

ついでにマルタとサクラコもこそこそしながら入ってきた。


「知り合い……なのか?」

ロイドが複雑そうな表情でエリザに聞いた。

誤魔化せそうもないと見て部屋に入れたようだ。


「はい。アレス様は覚えてないかも知れませんが……」

エリザが答える。

エリザの表情は瞳を輝かせうるうるしている。

いつもの厳しい感じではない、頬も染まり乙女な感じだ。


えーーー! アレスってばどういうカンケイ?

ちょっと腹立つ。


「覚えてるよ。見習いだったエリザだね?」


エリザの表情がパアアアアっと明るくなる。


 その反応を見たサクラコが引き気味になる。


「アレス様、お久しぶりです。生きてらっしゃったんですね。勇者様!」


 後ろで聞いているマルタとサクラコが

「勇者?」「勇者!」

なんか合いの手みたいにいれてくる。

 マルタは勇者は初めてかもしれないがサクラコは知ってたよね?


「生きてたっていうか、正確にはまだなんだけどね……」


エリザがアレスの前に跪き、祈るようなポーズをした。


 なにこれ?


「勇者アレス様、こんな日が来るのを待っておりました。またお会いできるなんて夢のようです。エリザは今日まで辞めずにここに居続けたことを幸運に思います」


「エリザ、跪くのはやめてくれ。君を救えなかった」


「私を?」


「君は吸血鬼にされてしまったんだろう?」


「あ、はい。でもそれはいいのです。私的にアリでしたから……」


これには全員「は?」となった。


「歳をとらないなんて最高にラッキーです。ここにいれば血液も手に入りましたし、それにロイド様が王妃様を倒してくれたので操られる心配も無くなりました。あ、アレス様が魔王を倒されたら、血液を手に入れるのが難しくなりますかね?」


そうきたか!?

エリザがこんな人だとは……!?

それにエリザっていったい何歳よ?


 アレスがいたときって30年以上前?

吸血鬼になって歳を取らなくなったとしても……? 絶対40以上? もっと?

若い! ものすごい美魔女だ!


「ロイド様ったら、最近何かを隠していると思ったらアレス様を隠していたんですね。早く教えてくだされば良かったのに……」


 嬉しそうにロイドとアレスを見つめるエリザ。


あっれーー? クールビューティだと思ってたのに……?

今まで私が見てきたエリザはなんだったんだ?


「エリザ……この事、ウォルター様に報告はやめてほしいんだが……」

複雑そうな表情のロイドが言った。


「ロイド様が仰るのであれば……でもウォルター様も喜びそうですけどね」

意外な事をエリザが言った。


「ウォルターさんの状態はどうなんだい? 彼は昔俺の執事をしていてくれた事がある人だ」


アレスの一言で人間関係が一気に複雑化した。



 整理するとこんな感じ?



ウォルターさんはアレスの執事だった!?

ロイドが頼めばエリザは報告しないでくれる?

エリザは美魔女でイケメン好き。


あ、何も整理されてない……












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