表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
214/295

213、四階に突入

 三階の階段に上り、四階の階段を上り始めた。


 サクラコが壊したがっていたバリケードはすでに破壊されていた。


「あれ? 結界は? どうやってきたの?」


私が周りをキョロキョロした。


「抜けてきたよ。結界を張る前の時間を通って来たんだ」


え? 普通に歩いてるだけだったと思うけど何かしていた?


アレスが四階に向かおうとする。


「あ、ちょっと待って!」


「どうかした?」


「アレスと一緒にいられるのが嬉しいから何の突っ込みもしなかったけど、このまま戦うの?」


 私はグロそうな王妃様に会うつもりはない。

それに私を抱えたままじゃアレスが動き辛い筈。


「このまま戦うよ、出番があればだけど……リリアも見たいのかと思った」


「だってこれじゃ子連れで戦うようなものだよ。厳しいよ!」


「厳しくはないと思うけど……それに子連れじゃなくてカノジョ連れだから」


きゃーーーーーーー!? アレスったら突然そんな事を!

嬉しい!! 私、ちゃんと彼女でいいのね?


「フフ……リリア……顔に出過ぎ……」


え? そんなに喜びの顔していた!? 恥ずかしい!

「アレスは顔隠してるからズルいよ。仮面とって顔を見せて欲しい」


「いいよ。後で二人きりの時にいくらでも……」


こ、鼓動が……心臓フル稼働で苦しい。

()()()()の時ですよ!!

もうドキドキが止まらない!

アレスにも心臓の音が聞こえてしまいそうで恥ずかしくなるくらいドキドキだ。


 四階の廊下に出た。

ハッ!! うかれていたら連れて来られていた。


 王妃様見るのアウトって言ってない。

別の意味で鼓動が早くなりそう。



 ロイド達の仕業なのか四階の廊下の窓がほぼ破壊されて太陽の光を取り入れているようだ。

壁や屋根も一部抜けて光が差している。


 いくつか部屋があるようで扉があるが扉側の壁も崩れている。


 陽当たりの良い物件ですね。

しかも惨劇のあった事故物件だ。


 所々に黒いシミがあるよ。

何のシミかわかってしまうのが怖いですね。


こんなに陽当たり良ければ吸血鬼にはキツイだろう。


何処にいるんだろう?


いやいや、別に見たいわけではないよ。


 突然人影が現れた。


「誰だ!止まれ」

そう言って現れたのはレイラだった。


「姫様? なぜここに……」

反対からシーラが現れた。


シーラとレイラは以前見た時と違う武器を装備していた。

二人とも鈍器ぽいものを持っていた。


「その武器なあに?」

思わず聞いてみた。


 シーラとレイラは顔を見合わせた。

二人で何か小さく相談し、二人の中でOKが出たらしい。


「私の武器はスマッシャーです。打撃、粉砕用です。」

シーラが見せながら言った。


シルバーの片側がつぶれたトンカチのような形状で鈍器部分の大きさは30センチ程。


 前にサクラコが出したハンマーをもっと凶悪にして悪趣味な感じにしたものだ。


「私の武器は斧です。切断と打撃用です。」

レイラが見せながら言った。


レイラの武器は斧というには重量がありそうで太い。

斧とハンマーを混ぜてもっと凶悪な感じにしたデザインだ。40センチくらいの刃に後ろ側に大きなトゲが一本出ている。こっちも悪趣味な感じの斧だ。


 つまり悪趣味な凶悪な武器を持った二人組が壁を壊して回っていた?

想像するだけで怖いわ!


 よくそんな細い身体で大きな穴を開けられたな、と感心していると

近くの壁が勢いよく破壊されてすっ飛んだ。


 ガラガラと壁の破片をどかしながら埃っぽいロイドが出てきた。

あ、ロイドも破壊してたの?

大きな穴はロイドですか。


 珍しくロイドも鈍器を持っていた。

しかも両手に、1メートル弱のゴツい棍棒二本

こちらも悪趣味のゴツゴツの武器だ。

細身のロイドには似合わない。


 この武器、誰の趣味? ロイド?



「姫様……ア……カズクン連れて来てくれたんですか……今から仕上げになるところです。私達でなんとか出来そうですが折角なので見ていきますか?」


「見ていってもいいの?」

私は邪魔では?

と言うか別に見たいわけではない。


「姫様は本当に野次馬ですね」

自分で聞いておいて、やれやれと言うジェスチャーをロイドが入れてきた。


「姫様は餌になりやすいので気をつけて下さい。……ああ、気をつけてなどカズクンがいれば全く問題ない話ですね。失礼しました。……カズクン、姫様を頼みますよ」


アレスが頷く。


餌って何!?

まあ、たしかにアレスがいれば危険は無いと思うけど


二日酔いから覚めたロイドは元気そうだった。良かった。


 でも顔を見たら心が痛んだ。あと3年かもしれない命?……

本当だろうか?

今元気に動くロイドを見るとちょっと信じられない。


フェルが1年……

ロイドが3年……


 全く実感が無さすぎる話だった。










評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ