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200、危険な感じ

200話です。続けて読んでくださる方々に感謝です。

 前回来た時は四階のバリケード前までだった。


 前見たときは何て物々しいしいと思った。

でも今見ると、このバリケード甘くね?

もっと厳重で良いと思う。


「サクラコ、帰るよ。そのバールぐらいじゃ開かないよ、諦めようね」


「うわあ、良い感じですね!」

サクラコが嬉しそうに声をあげた。


!! サクラコ? あんたまさか!?

サクラコがちょっとキラキラしている。


やっぱり!

あんたホラー好きか!!

怖いもの大好物か?

心霊研究会とかあったら入っちゃう人か!!


 だから一人で三階うろついてたし、初めて会った時も屍兵にビビらなかったのはそこか?

 でもこれガチだから! 本当のガチだから!!

趣味とかじゃダメなやつだから!!


 サクラコはバールを振り上げた。


「ちょっと待った! サクラコ、よく聞いて、絶対開けちゃダメだよ。刺激しちゃダメだよ!」


「怖がりですねぇ姫様? お化け退治はサクラコがしますから姫様はお部屋にいて良いですよ!」


「違うの! お化けって言ったけど違うの! よく聞いて、中にいるのはレアモンスターです!」


「レアもんすたー?」


「通じなかったかな? とにかく強いヤツ、どうしても開けるなら、せめてロイドかアレスがいる時にしてクダサイ」


もう最後は祈る感じでお願いした。

サクラコの動きが止まる。


「姫様の為に活躍したいです!」


「充分活躍してるよ。大丈夫! さあ部屋に戻ろうね」


なんだこれ? 駄々をこねている子を説得するみたいだ。


 今ロイドの気持ちがちょっとわかった気がする。

 改めてスミマセンでした。ロイドパパ! お父さん! リリアは良い子になります! もう迷惑をかけるような事は言いません!!


 さあ戻ろう、と階段を降りかかった。


あれ? サクラコはついてきてない?


 振り返るとバールからハンマーに持ち替えたサクラコが振りかぶっていた!


 そんなの持っとったんかい!?


 おじいちゃんのハンマー程巨大では無いが、打ち手が30センチはありそうだ。

普通に考えて充分でかい!!


 これは私の力では止められない!


サクラコを押さえたら大怪我しそうだ。


振りかぶってる瞬間にそんな事を考えてた。

おそらく私の頭は止める方法を模索してフル回転している。

でもそんな方法は無い!!


だめーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!


「何をしてるんですか?」


 目をぎゅっとつぶっていた私は恐る恐る目を開けた。

いつも聞いている落ち着いた声がしたのだ。


 目を開けるとロイドがサクラコのハンマーを支えて止めていた。


 一瞬の事で何があったのか?


とにかくバリケードの破壊をロイドが止めてくれたようだ。


 私は腰が抜けたというヤツなのか、ヘナヘナと座り込んだ。

もう力が抜けて気も抜けた感じだ。


危なかった。危なかった。

サクラコ、恐るべし!!!


 そして同時にロイドが帰って来た喜びが込み上げて来た。

あれ? 予定より早くない?

何でいるの?


ロイドは私服だった。いつもより大分若そうに見える。



 ロイドがため息をついたあと


「サクラコ、ここへは近づくな。そしてもう国に帰れ!」


ブリザードでも吹き荒ぶような冷たい口調で言い放つ。


 それから私を抱えて階段を降りた。


「姫様、話は下で聞きます」

ロイドの冷たい言い方はいつもだが今日は特別気にもならない。


ロイドにぎゅっとしがみついた。


良かった、帰って来てくれて!

良かった、四階の道が開かなくて!


危なかった。

とっても感謝だ!

ロイドの有り難みがひしひしと感じられた。


 怒られてサクラコは下を向いたままついてきていた。

"国に帰れ"と顔を合わす度に言われていて、ちょっとかわいそうだったか……


ん?

サクラコの口元が見えた。


ーーーーーー? 笑ってるーーーーー?


よくよく見れば頬も赤い……?


サクラコ……あんたまさか……


 ロイドの怖いとこや冷たいところが好き、とかじゃないよね!?

そういうのをご褒美とか言っちゃう人じゃ無いよね!?


しかしサクラコは喜んでいるっぽい!


 いつからそんな子になったの?


二階まで降りるとマルタが一階から私服で登って来るのが見えた。


 二人は帰って来たばかり?


 異変を感じてロイドだけ急いで階段を登ってきたのか……。

お手数おかけしました。


これって私が怒られるパターン?


サクラコを止められなかったのは私のせい?


人のせいにしないと決めたはずだがなんか今回のは違う気がする。








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