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199、お化けが怖い

 自室に戻ったが落ち着かなかった。


そうだった、ここの上の上に……いるんだ。


 私は呼びベルを鳴らした。



 しばらくするとサクラコが来た。


「はい、なんでしょう姫様!」


サクラコがニコニコと来た。


「もう泣いてませんね? 大丈夫ですか?」


「ご心配おかけしました」

私は丁寧にお辞儀した。


「どうしたんですか? 姫様らしくない気がしますが……たっぷり甘えてきて落ち着きましたか?」


変な事を勘ぐらないでほしい……

「ちょっといろいろ反省したの」


「勇…カズクンは、まだこちらに来ないままですか?」


「……うん。サクラコ……前に三階を探検したって言ってたよね?」


「はい、三階探検してちゃんとノートも返しましたよ!」


 そうえいばサクラコの持ってきた三姫様のノートに王妃様の様子がおかしいって書いてあったな……そう言う事だったのか……。


「サクラコ……大事な事だけど……お化けはいないよね?」


「お化け……?」


「三階にお化けはいないよね?」


「お化けはいませんでしたよ?」


 サクラコは忍者(?)だから常人よりはきっと鋭い。そのサクラコがお化けはいないと言うから大丈夫か……?

そうだよね。ここに来てから別にお化けに会ったことないし……。


「姫様……お化けが怖かったんですか?」


「怖い、私はグロいのとお化けは嫌い。モンスターは会ったことないけど見る分にはたぶん平気」

あれ? スライムとフェンリルは何に分類される? まあ良いか。


「そうですか……姫様は三階にお化けがいると思ってたんですか?」


 一番気になるのは四階だけど……三階をクッションにしているからまだマシ。


「サクラコ今日の夜……一緒にいて欲しいです」

謙虚にお願いした。


「え? なに言ってるんですか?」


「ホント言うと3日程……」

アレスが全回復するまでの時間……


「お化けいないのに、ですか?」


「だって四階にいるかもしれないから……」


「四階に? じゃあ、私見て来ましょうか?」


と、とんでもない!!

「だ、だって前に四階は封鎖されてて行けないって……」


「壊して良いなら見て来ますよ。今ロイド様いないから堂々と壊しちゃえますし行っちゃえます、私も前から四階は気になってました」


「だ、ダメ! サクラコが襲われる!」


サクラコが驚いた顔をした。

「お化け……いるんですね?」


なに喋っちゃってんのよ! 私!


「姫様が怖いと言うならサクラコ退治してきます!」


「ダメだよサクラコ!! 相手のレベルも分からないのに! あと倒せない特殊モンスターの可能性があるし、通常攻撃が効かない可能性があるよ!」


「……姫様? なんだか随分詳しいような? ……何がいるんですか? レベルって?」


しまった、墓穴!!


この世界はゲームに似た要素は多いがゲームではない! 怪我もするし亡くなったりもするんだ。気を付けないと!

そしてレベルの概念は無いか!


「サクラコ……私ね、ロイドに怪我させちゃったの……サクラコにも怪我させるのは嫌、だから無茶しないでほしい。今の話は忘れて」


「姫様……、サクラコの修行の成果をお見せする時が来たようです!」


へ? 何かいいだしたぞ?


「姫様の誘拐に失敗し、ロイド様に敗れた日からサクラコは更にこの日の為に修行したのです」


この日の為にって、どの日の為によ?

そして、サクラコってロイドに敗れてたっけ? 戦ったっけ?

あっけなすぎて私が覚えていないだけ?


 私の数々の疑問を無視しサクラコが部屋を出た。


 サクラコの変なスイッチが入ってしまったらしい。

そのまま勢いよく階段に向かう。


「ダメだって言ってるじゃん! ちょっとサクラコを止めて!!」

階段脇に屍戦士が設置されていたので叫ぶが私の命令は聞かないようだ。ただ立っているだけ、役立たずじゃん、木偶の坊め!

アレス以外の屍戦士は使えないなあ!!


 サクラコはずんずん階段を昇る。


 どうやって四階のバリケードを壊すつもりなのか? 手ぶらだし。

いや、この世界にはアイテムボックスなるものがあった。


 一見手ぶらに見えても何か隠し持っている可能性もある。

そしてサクラコは前に武器専門のアイテムボックスだとか言っていた気がする?

 まずいよ! その上ここのメイドさん達はスカートの中によく何か武器的なものを仕込んでた。

サクラコも何か仕込んでる!?


「サクラコ!! 止まって、あのねホントに危ないんだよ。凶悪なモンスターだよ!」


「大丈夫です。サクラコは姫様の安眠のために頑張ってみせます!」


 そのよく分からない自信はどこから来るのか。

しかも私の為だったら余計やめてーーー!


 サクラコがスカートからバールのようなものを取り出す。

「これでバッチリ開けちゃいます!」


なぜスカートにそんなもの?

マルタとお揃いで"バールのようなもの"か!?

そもそもそれ、まるで役にたってなかったよ。


 でも意外に地味な武器で良かった。

爆弾とか持ってたらどうしようと思った。

アレスの爆炎攻撃を見た後だからなんか勘違いしてたよ。



……て、油断出来ない、サクラコを止めないと!!


サクラコに続いて三階に続く階段に昇る。


以前アレスが破壊した所を抜けて三階に入った。


うわ! 不気味な感じ。

三階は真っ暗だ。そして埃っぽい。


「サクラコ、暗い、帰ろう!」

サクラコのスカートを引っ張った。












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