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195、ダメダメな私

「あ、リリアおはよう」

フェルは寝ていたのかスライムの上にいた。

珍しくチビリルまでいる。



うわーーーーーーーーーーーん!


私は泣きながらスライムに突っ込んだ。


ぼよんっ


フェルとチビリルが反動で落ちた。


「何すんだよ!」

チビリルが怒った。


「いてて……」

フェルが起き上がる。


スライムはそのままぶるんぶるんして震えた。


私も自分のぶつかった反動でスライムから落ちた。


パフン!!

床に跳ね返されぶつかった。


うわーーーーーーーーーーーん! 何してんだ私!!



「リリア……? どうしたの? あ、アレスがいないから泣いてるの?」


 フェルは昨日の事など忘れたかのような穏やかな感じだ。もう怒ってはいない。


「えぐえぐ、フェル、昨日はごめんなさい! アレスどこー?」


こんな汚く泣く女はアレスも嫌だ、出来れば見られたくない!


「ああ、うん、昨日のことは僕はいいよ。アレスは……休んでるよ。魔力ほぼ全部使っちゃったから」


そう言って指した先は棺桶だ。


え? また棺桶使ってるの?

せめてベッドに寝かせてあげて~


「えーと。アレスからの伝言ね。調子にのって魔力と精神力使っちゃったから3日ほど休みますって、全回復したら時間停止を解いて身体も治す事になってる」


「え? まだ時間停止中だったの?」


「そう、昨日は街から脱出する人達の救出って目的があったから、時間停止解除は後回しにしたんだ。だから普通に戦うより魔力消費が激しかったようだね。ジルニトラの力の試し切りも兼ねて派手にやってたから魔力消費が激しかったみたい。途中から完全に遊んでたようだけど」


「遊んでた?」


「そうだね。アレスの悪い癖だ。新しい力を試して使い方の確認や威力を見ていたようだけど途中から破壊神みたいだったね。すごく楽しそうだった。

あんなアレスを見たのは久しぶりだったよ。抜け道で見ていてヤバそうだから人が巻き込まれないように見て回ってたんだ。そしたらリリア達が来て……」


「じゃあ、ロイドが怪我したのはアレスのせいじゃん!」


違う!! 言いながら分かってる。責任転嫁だ。行かなければ怪我してないもん!


 私はまた泣き出した。


 呆れたのかチビリルが「向こう行こうぜ」とぷるるんの上に乗ると移動しはじめた。

 ワンフロアだが広い地下室なので離れたところで寝るつもりかもしれない。


「そう言えば昨日はあのあと見てないけどロイくん怪我大丈夫かな? 頭以外も怪我してるでしょ? 遠慮せずに見せに来てくれればいいのに……」


私は更に悲しくなった。


「ロ、ロイドが……出て行っちゃったよーーーーーーーー!」


泣きながらフェルに訴える。


 どうしてあの場所に行ってしまったのかも、ロイドがいつもと違う感じで怒っていたことも泣きながら説明した。


そしてマルタを連れて今朝出て行ってしまった事を……。


フェルは目を瞑り黙って聞いていた。


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