189、女子の恐ろしさを知るがいい!!
その日は皆ご機嫌だった。
注文していた服や小物が届いた。
勿論、マルタ達の下着もだ。
私の下着はタンクトップにちょっとレースがついたような物とフリフリズロースだ。
可愛いことは可愛いが私も大人っぽいものが欲しい。
似合わんけどね……
新しいお洋服を試着する。
マルタは私を手伝おうとするが、せっかくだから自分のを試着してと断り、モリシャス夫人のお弟子さんに手伝ってもらった。
どれもかわいいです。
マルタの希望のフリフリワンピースと私の希望のスッキリワンピースが5着づつ。
これからはどんどん大きくなると思われるので2ヶ月後にまた採寸して作ることになった。
2ヶ月は早いと思う。
でも期待を受けて大きくなりたいな~!
だって12歳でも驚く程でかい子っているよね?
大人っぽいのにランドセルの子とか……
だから私は12歳でも大きくなる余地がある気がする。
大きくなったらちゃんとレディとして扱って貰わないとです。
特にロイドさんには、ほっぺを摘まんだり、おでこを指でつつく等の失礼な態度を改めて貰わないとです。
皆自分の注文品を見て、試着し満足げにキャイキャイしています。
素晴らしい!! 魔王城とは思えませんね。
魔王城はおとなりだけどね。
やっぱり女子が集まると賑やかだ。
女子が集まると相乗効果でテンションが上がる気がする。
今女子率急上昇だ。
モリシャス夫人にお弟子さん3人、そしてうちのメイド5人、そして私。
なんと10人も女子が集まっている。
これはロイドは入って来られないでしょう。ふふふ。
ーーーーコンコン。
ノックだ。
「姫様、急ぎ伝えたいことが、出てこられますか?」
ロイドがドア越しに私を呼んだ。
珍しい。急ぎの用ってなんだよ?
ロイドが来たことにより皆さんの動きが止まった。
急ぎの用は気にはなるが、ちょっと面白い事になりそうだった。
「ロイド様のシャツもありましたよね?」
サクラコがマルタに言った。
「はい。受け取ってありますよ」
マルタがシャツを広げて見せてくれた。
白の普通のシャツだ。
「それは試着をした方がいいと思います!」シーラが言った。
「採寸をしていないので試着はするべきです!」レイラが言った。
「姫様?」
私が返事をしなかったのでロイドは扉の外で待っているようだ。
モリシャス夫人がドアを開けた。
「ロイド様、皆さんの試着は終わったのでお入りになっても大丈夫ですよ」
「ああ、すみません、姫様に用事があるだけなので……姫様……?」
この前のほっぺの恨みを私は覚えている。
私はお洋服に埋もれて寝たふりをした。
普通こんなとこでは寝るはずないが、子供だからお洋服にはしゃぎ過ぎて疲れて寝ちゃったのね。てへっ。てな感じだ。
さあ、ロイド、今こそこの女子だらけの神聖な地に降り立ち、女子がまとまった時の恐ろしさを知るがいい!!




