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187、装備品の指輪

 フェルの地下室に行くとロイドとフェルが何か話していた。

チビリルもいる。


 見かけないと思ったらチビリルはここだったか。


 私はまずアレスに会いに行く。


今日もアレスは眠ったままだ。

早く起きてくれないかな。

いや、もうちょっと寝ていてもいいかも?


 アレスは待つと言ってくれたけど私ってまだまだ子供なんだもん。

早くマルタみたいに好きな人のために着飾ったり出来る大きさになりたい。


 次に再開した時、

『わあ、リリアなんてキレイになったんだ。やっぱり君を選んで良かった』

なんて言われたい。

『柚子よりリリアが綺麗だ』

うん。前世の自分にヤキモチ焼くのもどうかと思うけど、やっぱり柚子より落ちたくない。柚子より好きになってもらいたい。


 今の私にがっかりしてほしくない。

もちろん柚子も大事にされたいけど、今の私をアレスが好きでいてくれるのは柚子のおかげ?


あ、なんか複雑な気持ち。

私も愛されたい。子供だとどうしても自信が無いのかも……

アレスと並んでおかしくない大きさになりたい。


 マルタみたいになったら、どんな男も思いのまま的な気がする。

いいなあ、ナイスバディ

羨ましいーーーー!


いやいや女は身体だけじゃないよね?

アレスは私が育つまで待つと言ってくれてるんだから信じなければ……




「仕立て屋は帰りましたか?」


ロイドが話しかけて来た。


「うん。帰った。なんかさ、スゴかったよ!!」


「スゴかった? 何がですか?」


「ロイドってモテるんだね。本当に全員がロイドを好きだとは思わなかった」


「は? 何を言ってるんですか」


「だからマルタは当然にしてもエリザもシーラもレイラも、勿論サクラコもロイドが好きみたいだよ。知らなかった?」


「姫様の好きがどの程度か知りませんが、後宮には私以外の男がいませんから、物珍しいのでしょう。基本的に侍従頭しか男は入れません。子供は別なので私は見習いの時から多少出入りしておりましたが、その時住んでいたのは本宮でした」


「へーそうなんだー。でもたぶん他に人がいてもロイドはモテると思うよ」


ロイドが訝しげな顔をする。

「姫様はどうも私を()()()にしたいようですね」


「そんなことはありません!」

一応否定する。


「私はもう戻ります」

そう言うと私の頭を二回ほどポンポンと撫でて去っていった。


 ああ、そういうところだね。

普通にそういうことを女子に出来ちゃうのはねえ……

あ、でも私が子供だからやってるんだよね?


チビリルがロイドを追いかけて行った。



 ロイド達が去ってからフェルの方を見た。


前のフェルと何か違うフェルは今日もコアに力をためている。


 前のフェルと違ってあまり私を構ってくれないフェル。知らない人のようで未だに慣れない。ちょっとだけ気まずい。


 今日も構ってくれないフェルの隣で瞑想をしてだだっ広い地下室のスペースを使って踊りの練習をする。


 フェルと踊ったのは一回切り。もはや完全再現は無理。


オリジナルが混ざってしまいそうだ。


一通り踊って気がつくと珍しくフェルが私を見ていた。


そしてパチパチと拍手までしてくれた。


珍しい。どうしたの?


「最近リリアと話してなかったね。ごめんね。ボク夢中になると他が見えなくて……」

フェルが申し訳なさそうに言った。


「いいよ。フェルも忙しかったんだから……」

フェル寂しかったよー! と前のフェルには言えるのに今のフェルには遠慮してしまう。


お互い無言になった。

うーん。気まずい。


「さっきね、ロイくんからリリアが12歳になったって聞いて……気がつかずごめん」

フェルも気まずそうだ。


「うん。12歳になったよ」


「それで……申し訳なくて……」


 私の誕生日を忘れたのが申し訳ない? 私もフェルの誕生日知らないからお互い様だよ。フェルが何歳かも知らないし……


「アレスに頼まれてたのに……」


「アレスに……?」


 そう言ってフェルは何か差し出した。


「誕生日にリリアに渡してって頼まれてたんだ」


 指輪だった。金縁で細かい金の細工にベースの色は濃い青が入っている。

太い作りで男物っぽい。


「アレスの装備品だった指輪で物理防御、魔法防御、耐久性があがる。そして状態異常の耐性もあるよ」


 結構ガチな装備品アイテムだよ。

これゲームだと私のレベルが低くて装備出来ない的な事がありそうなヤツだ。


「うわあ、ありがとう!」

サイズも大きそう。

せっかくのご好意ですがこれを装備は無理だな。


私が指輪を見ていると……


「つけないの?」

フェルが気にしてくる。


「ちょっと大きいかな~って」


「はめた指の大きさになるから大丈夫だよ」


そうなの?

じゃあ今のこの大きさは持ち主だったアレスの指の太さ?


うわ、そうなんだ。アレスの指の太さ? なに指? 人差し指? 中指? 薬指?

これだけで萌えるわ。


この指輪、私が着けたら私の大きさになるんだったら、今のアレスサイズは貴重だ。


「勿体なくてつけられない」


「使わないと意味ないよ」


はい。装備しないと意味無いのね。

アレスがつけていた指輪か。

嬉しい。

出来れば本人から渡して欲しかったけどありがとう。













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