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159、ニーナと共に 

 片隅にフェルが立っていた。


「ど……どうしたの~? アレスと鬼ごっこ?」


!! 見られた! 恥ずかしい。


「な、何でもないよ。ちょっと運動」


ん? フェルの服装が変だ。


「その格好は何?」


フェルがヒラヒラした格好をしている。

お、男の娘!?

ちょっとした昔のアイドルか、魔法少女のようだ。


「これはね~リリアとお揃いで作ったの~明日見せるつもりだったんだ」


クルリと一周してくれた。スカートがフワッと広がった。

仕草がかわいいね。って違う!


「私とお揃い?」


「そうだよ~これはね姫巫女の衣装だよ!」


え? ……それをフェルも着ちゃうんだ……


「もうすぐ夜明けだよ。こんな時間にリリアが来ると思わなかったからちょっと練習しておこうと思ったの~」


「フェルは眠くないの?」


「うん。早く起きちゃったからね~ボクとアレスとチビリルが旅立ったら、またリリアに踊り教えられなくなっちゃうから、教えられる時に教えとかないとね。せっかくだから今から踊るから見ていてね~」


 フェルが踊り始めた。

長いフリフリがフワフワ舞う。

どうやら長いフワフワを地面に着けずに踊ると言うことらしい。

ちょっと違うけれど新体操のリボンみたいだ。

いや天女の羽衣的な?


 私はここのところ体力作りと瞑想しかしていなかった。前準備としてはそれくらいしかしていないが、この踊りを踊れたら姫巫女の力にでも目覚めたりしないだろうか……


 フェルの踊りを見ていたらフェルではなくニーナが踊っている姿に見えてきた。


そうだ、これを踊っているのはフェルではなくニーナなのかもしれない!!


ニーナがこれを教えるために来てくれたんだ。


何ができるかわからないけど私に出来ることをやろう。


 私はフェルとニーナと一緒に踊る。


この踊りが神への祈りならば、どうか救えますように。今生きている人たちだけでも……贅沢は言わない。自分の周りの人を助けられますように……


一通り踊ってみて汗だくでフェルと背中合わせに座り込む。


はあはあ……

夢中で踊って息が切れていた。


どれくらい踊ってた?

途中から何か『無』の状態だった。


なんだろう……疲れたけどスッキリした。


 フェルの踊りを見ていて私は途中から入ったからフルで踊るには、体力が足りないかも……

体力作り頑張らねば……


 私はフェルを見た。

でもこれはきっとニーナだ。そんな気がする。


「教えてくれてありがとう。ニーナ」


ニーナはにっこり笑った。


過去のフェルと現在のフェルの違いはこれだったのか。


フェルはニーナの一部がずっと一緒だって言っていたけど

ずっとニーナはフェルと一緒にアレスの帰りを待っていたんだね。



 このあと熱で寝ていた筈の私がいなくなったとマルタが探しまくっていたらしくロイドが怒りぎみで迎えに来た。


踊りに夢中で分からなかったがもうすっかり朝だったらしい。


 具合悪かった時くらいはちゃんと寝てろやって感じですね。

すみません。








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