表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
16/295

15、地下室への隠し通路

「おはようございます。リリア様、お加減はいかがですか?」

 マルタが部屋にやって来た。


「大丈夫。今日は普通に起きられるわ。心配かけてごめんなさい。」

ベットから起き上がるとマルタが急いで寄ってきて熱を測る。

「お熱は下がりましたね。良かったです。でも無理は駄目ですよ。」



 街へ行った日、私は突然複数の人の負の感情を聴いてしまった。

一度に大量の声を聞き、体調を崩してしまった。


 いっきに具合の悪くなった私はフェルに運ばれ自分の部屋に戻って来られた。

早い時間に戻れたお陰か私の脱走は、ばれていなかったようだ。


そのまま私は熱が上がり、また3日程寝込んでしまった。


 フェルはウサギの耳の調整が悪かったせいだとひたすら謝り、すぐに治るクスリという怪しさMAXの薬を飲ませようとしてきたが、マルタにも薬を飲まされていたので、どんなに良い薬でも重複して摂取するのは危険と思い断った。フェルは泣いていたが熱でそれどころではなかった。

 今日あたりフォローしてあげないとだ。

それと、本当はフェルがウサギの着ぐるみを使って()()()()()()()()()も聞き出さないと…。


 そんなわけで"起きてみたけど今日はまだ怠いから"と、今日の授業をキャンセルして"部屋でゆっくりしてるから呼ぶまで来ないでいい"とお願いし穴を使ってフェルに会いに行った。


 フェルの部屋に行くと留守だった。


 がくん


 せっかく来たのにと思い少し部屋で待たせてもらう事にした。

この間の犬とウサギの着ぐるみが壁際に吊るしてある。着ぐるみ(あれ)のせいでひどい目にあったような気がするがあの時聴こえた声はなんだったのか…。


 しばらくすると異変がおきた。

床の一部が突然ガコッと空いたのである。

びっくりして見ていると、そこからフェルが顔を出した。


このパターン前もあったよ。


 でも今度のは私に作ってくれた穴と違い建物自体の隠し通路か、地下室のようである。


「リリア~元気になったんだね~良かった~ボクすっごい心配しちゃったよぉ」

そう言いながらに私に駆け寄り抱き締めようとしたが勢い余って自分のローブの裾を踏み、転んだ。そりゃもう見事に…

 またフェルが残念な人に見えて来た。オデコと膝をぶつけたようでイテテとなっている。


「フェル…大丈夫?」


「平気だよ~。リリアが来てくれたから痛いのなんか気にならないよ~。昼間に来てくれるなんてもうびっくりだよ~」


 にこにこしているが目に涙が滲んでる。『痛かったんだねフェル。でも泣き出さないのはエライぞ。強くなったね。』とか幼稚園の先生になった感じで声をかけたくなるが、フェルは若そうに見えるけど30年前の勇者のパーティにいたのなら相当な年上のはず。本当、何歳だ?

そして今気になるのは…


「これなあに?地下室あるの?」

さっきフェルが出てきた所は下に降りられるように石作りの階段が見える。


「そう~地下室あるよ~内緒ね~。この家はね~ボクの師匠から譲り受けたんだけど、すっごく古くて~この下に地下室あるんだけど王宮の地下深くにつながる通路もあるの~。ヴァリアルも知らないはず~。でも王宮への通路はだいぶ前にボクが塞いだの。だって向こうから侵入されたらイヤだもんね」


 そうなんだ。私に話していいの?見つかっちゃったから仕方ないのか?

そしてヴァリアルって誰だっけ?どっかで聞いたような…?


「元気になったらリリアを地下室に招待するつもりだったの~ボクの宝物あるよ~」


見せる気だったんですか。内緒じゃないのかい。









評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ