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147、モフモフ、モフりたいのか

 すごい! すごいぞ! っとチビリルの価値がぐんぐん上がってきたところで、チビリルは大きなあくびをした。


「お昼寝の時間だ」


そう言ってぷるるんの上で寝始めた。

疲れてしまったのか深そうな眠りだ。


「チビリルはボクが本体のフェンリルについて来てくれるように頼んだ時、自分が王都に行くと眠る魔王の刺激になるかもって造られた分身なんだ、本体に比べて幼いから睡眠が沢山必要みたいだよ~ここへ帰って来る途中もよく眠っていたんだ~」


フェルがチビリルを撫でながら説明した。


まあ、赤ちゃんだもんね。犬って元々一日中位寝てる子もいるしね。


「次にアレスと繋がった時に我々もアレスと話せるように言っておかないとですね」


「そうだね~ロイくん、怖がらせないようにしてね~」

今回チビリルを一番怖がらせたフェルがロイドに注意した。



 次に繋がった時か……


私も何か話せるといいな。

いや、そもそも私ってアレスとなにを話せばいいの?


アレスが復活した時、今みたいに一緒にいられるの?


……不安になってきた。


その後アレスは屍戦士の鎧を装備して私と部屋に戻ることになった。


 チビリルはそのまま置いていくか、と思ったら何故かロイドが抱き抱えていた。

あれ? 何してるの?


ちょっと手がモフモフ動いている。


ま、まさか!? ずっとモフりたかったのに言えなかったのか?


モフモフ、モフモフ、


真面目な顔でモフモフしている。


どうやら本当にモフ好きらしい。


「ロイド、その子……連れて行くの……?」

どうするのか聞いておこう。

いじめたりはしないと思うけど……


「あ、ああ……マルタがきっと触りたがるから一度連れて行きます」


マルタのせいですか。そう言う事にしておきましょう。


「そう言えばいい忘れてた~星降り祭りにボク、リリア連れていく約束してたのに一緒に行けなくてごめんね。約束を守るためにちゃんと帰ってきたんだよ~でも祭りの日にバルクに会って帰れなくなっちゃったの~」


「え、帰ってたの?」

それからおじいちゃん? おじいちゃんもエターナルに帰ってきてる!?


「そのあとバルクに付き合っていたから帰りが新年になっちゃったけど、バルクが君によろしくって~」


「そうだったんだ。おじいちゃん元気ならいいんだ」


「あとロイドにも……会いたがってたよ~」


「は? 私に? 私は姫様をバルク様から拐った時点で二度と会いたくないです。次に会ったら殺されますよ」


「最初は怒ってたけど、マルタの事情を知らなかったって謝ってた~ロイドとマルタも連れて逃げてれば、って悔やんでたよ~」


「何を今さら……私達も連れていたら追手は倍以上になるでしょう。すぐに捕まってましたよ。それに私達が逃げたらウォルター様の責任になります。あの時点で逃げる選択肢はありませんよ」


「10年以上ぶりにロイドとモーモで再会したとき驚いたって言ってた。別人すぎて……」


別人?

「ロイドとおじいちゃんは面識あったの?」


「まあ、王宮にいれば顔を会わせることもありますからね。私はもう帰らせてもらいます」


ロイドが行ってしまった。チビリルを抱えたまま……


過去に何があったのか……


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