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141、ちびフェンリルと魔神バロールの末裔 

 子供の声が突然した。


どこから? と思ったがどうやら私の腕の中からだ!


ちびフェンリルが喋った。


「人間はみんな黒いとこがあるんだ。アレスは前からあんなもんだ」


「そんなわけないじゃない? アレスは"光の勇者"だよ。もうピカピカの真っ白さだよ! 黒いとこなんて無かった。今、真っ黒なのは全部ボクのせいだ~!!」


フェルが泣きながら反論してる。


さっきまでの震えが止まった。


このワンコ、ホントにあのフェンリルさん?


「こいつ旅の間中ずっとこうなんだ。もういい加減気が滅入る」


ちびフェンリルが喋る。


すごい。喋るワンコだ。しかもかわいい。



ちびフェンリルをガン見していると


「なんだ? 娘。我が気になるか? かわいいだろう。モフりたいか? 特別に腹の毛をモフるが良い!」


え? モフっていいですか?


既にモフってる気もしますが公認でモフらせていただきます。


お言葉に甘えてモフモフにしてやる!



「ボ、ボクにロイくんのような眼の力があればアレスを苦しめなかったのに……グスグス」


フェルはまだ泣いていた。


「フェル落ち着いて、フェンリルさんをモフって一旦落ち着こうよ」


勝手にフェルにも勧めてみる。


「男の子は嫌だ。出来れば女の子にモフってほしい」


ちびフェンリルが要望を言った。

え、? フェンリルさんてそんな人? いや違う、そんな犬?


「そんなこと言わずにフェルにもモフらせてね」

お願いしてみた。


「旅の途中、あいつには散々モフられたぞ、まあ、我がかわいいから仕方ないな」


ちびフェンリルが自慢そうに言った。


「あのー、前に助けてくれたフェンリルさんですよね?」

なんか別物の気がする。


「我は本体とは別犬格(人格)だぞ! 大体の知識は共有しているから、小さくてもちゃんと賢いのだ」


あーーなんか違うと思いました。


そしてフェルはまだ泣いている……。


 すると私が抱っこしていたちびフェンリルがいきなり首を捕まれ持ち上げられた。


「何ですか? この動物は」


 ロイドが来た。


 なんか水浴びの後に急いで来たかのように微妙に濡れている。

水も滴る……と言う感じ。


 何してきたの?

なんかエロそうですよ。


摘まんだちびフェンリルを眼を細めて視ている。


「何をするー! 失礼だぞ人間!! 我を敬えー!」


ちびフェンリルが暴れる。


それでも気にせずロイドが視ている。


「あ、お前、その眼は!! お前魔神バロールの末裔だな!? まだ生き残りがいたのか、さわるな!」


そう言って更に暴れ、ロイドが手を離すと地下室の暗闇に逃げて行ってしまった。


「ああ、せっかく来たのに逃げちゃうよ」


「出口はこっちだから大丈夫ですよ。ところで師匠? 何してるんですか?」


 床に突っ伏して泣くフェルの首を後ろから掴んで持ち上げた。

ちびフェンリルにしたのと同じ感じだ。


「ロイくん、ただいま~」


フェルが泣きながら言った。




「あの……魔神? て」


さっきのちびフェンリルの言葉が気になったので質問してみた。


「ルカレリアの建国神話に出てくる祖となったという神だと思いますが、良くは分かりません。もし本当にルカレリアにそう言う神が混ざっていたとしても、我々は末裔、何の力も無いですよ」


 いや、充分あると思います。納得ですよ。

ロイドの変な超人っぷりの訳はそこにあるんですね。

 でもそうなるとマルタも魔神の末裔!?

マルタはずいぶんイメージ違うかも。









チビリルの挿絵下げました(>人<;)

チビリルは最初ポメラニアンをイメージしていましたが途中からチワワに変更し、更にいつか漫画で動かしやすそうな二足歩行可能キャラにしました。

挿絵で時々四足歩行っぽいのもありますがこんな感じです。

挿絵(By みてみん)



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