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136、アレスと仲直り

 目が覚めてアレスと手を繋いでいた。


 なんだか目頭が熱くなった。

 

 今の夢はアレスが私を置いて行った時に重なる。


勇者広場にアレスが向かったのはニーナを助けに行ったんだ!


30年前に死んでしまったニーナを……。


 沢山浮いていた篝火がアレスの目には燃える炎に見えたんだね。


そしてやっぱりアレスは寒がっている。


スゴく冷えている。


私はアレスの手をぎゅっと握った。


「アレスごめんなさい」


 ここ数日アレスを全く温めていない。とてもかわいそうな事をしてしまった。

アレスは寒くて私に寄ってきていたのかもしれない。


 私はアレスを抱き締めた。



 やっぱりアレスが好き。大好き。


 もうアレスがどう思っても私がアレスを好きなのは仕方ない。

私がくっつくとアレスの寒さが押さえられるなら私はひたすらベタベタしてやる!

なぜか私が温かい存在であるならそれでアレスを温かくしてあげたい。


 しばらくして朝の支度にマルタとサクラコが来た。

 今日は二人ですね。


 アレスにくっついてる私を見て

「仲直り出来て良かったですね」

マルタが笑って言った。


 仲直りと言うか私の一方的なものでしたが色々心配されてましたね。

ごめんなさい。

とにかくアレスが誰を好きでも私はアレスが好きで良いじゃん!

たとえアレスとって私がただの暖房器具でいいの。


 ん? でもそれってやっぱり辛そう?


「ねえ、マルタ、もしロイドが他の女の子を好きでもロイドが好き?」


試しに人の意見も聞いてみる。


「え、……」


マルタが黙り込んでしまった。


あ、あれ? どうした? あんなに愛されてるのに、不安はないでしょう……?

"もしも"の話だよ?


「やっぱりいるんでしょうか……? ロイドに好きな人?」

マルタが怖い顔になっている。


?いるとしたら、あなたですけど?


「なんだか時々いなくなるんです。この前なんてシャツがぐしゃぐしゃで帰ってきて……どうしたの? って聞いても何も言わないし……シャツ自分で洗ってるし……これは浮気でしょうか?」


こ、これは……犯人はこの中にいる!


犯人は……わ、私だーーーーーー! すみません。すみません。すみません。


 間違いなく私が愚図って泣いたアレですね?


 ロイドもそう言うときはちゃんと言ってあげて!

言い訳くらい、ちゃんとしようよ!


 あ、でも私のぎゃん泣きを内緒にしてくれたのかな?

私にも非がある?


「それは怪しいですね」


サクラコが言った。

うわっ何同意しちゃうの? 違うから!


 この誤解を解いてあげないと……


 本当に恋する乙女はめんどくさい!


両思いであっても不安はつきないなんて……


 おとぎ話のように"王子様とお姫様は末長く幸せに暮らしましたとさ"って言うのはあり得ないよね。

そっからいろいろあるもんだよ。うん。











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