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125、お祭り満喫しちゃおう

 人混みの中、アレスと手を繋いで歩いた。

目の前にいるロイド達を追って歩く。


 年々縮小されている祭りとはいえ結構な人出だ。七割くらいの人がお祭りのお面を着けているのでアレスもお面を着けたままでも存在に違和感はない。

 ただ黒髪は少し珍しいので帽子を被らせた。


 街は賑やかだった。王宮とは別世界のようだ。

お祭り効果で人も増えている。

街並みは中世ヨーロッパっぽい、というよりはゲームとかテーマパークの街にいるようだ。

 冒険者ギルドとかもあるのだろうか? 行ってみたい。


まあ、今日はお祭りに来たんだけどね。


 今は篝火をたく広場のみでダンスが行われるが、昔は勇者の広場もダンス会場だったらしい。

 前にフェルと行った勇者広場。今は寂れてしまっていたがアレスがいた時代は広場も美しく賑やかだったに違いない。


 アレスはお祭りで女の子と踊ったりしたのだろうか……。

想像するとちょっと嫌な気持ちになる。


 さっきのマルタの焼きもちを私は笑えない。


 マルタは良いよね。だって両思いだもん。

私は一方的にアレスが好きなだけ、しかも会話すらしたことない。


私が焼きもちを焼いたところで"僕がモテたいのは君にだけだよ"なんてアレスが言ってくれる筈もないのだ。

言われてみたいけど……


 でもこうやってアレスと手を繋いで歩いていると、アレスは普通の少年で私とデートをしているような錯覚に陥ってしまいそうだ。


「リリア様、何か食べますか?」


回りは屋台のような出店がズラリと並ぶ。

家族連れやカップルがいっぱいだ。生きた人間がいっぱいいる。

こんなに人間がいるのって嬉しい。

屍兵ばかり見ていて感覚がおかしくなってるかもしれない?


 王宮は屍だらけだが、街には生きてる人がいっぱい。

人の生きている活力のようなモノを感じる。


 私はとりあえずお店を見て回る事にした。


食べ物屋さんだけではなく、雑貨やアクセサリーも売っていた。


異世界で初のショッピング? かもしれない。


古着屋さんや靴屋さんもあった。これはスゴイ。


 途中美味しそうだった串焼きみたいのを買ってもらい食べる。お祭りに来た感じ満載になってきた。


カラフルなキャンディも買ってもらい、暖かい飲み物もフーフーして飲んだ。

 お店の横にちょっとしたイートスペースがありそこで小休憩。

周りではお酒を飲んでいる大人もいて賑やかだった。


 冬とはいえ今日は暖かい方で良かった。スノウハイランドのような寒さだったら寒くて動く気になれない。


 シャーロット様は元気かな? 旦那様と仲良く出来てればいいけど……

そう言えば一度お礼状を送ったきりで何も言ってこないけど、まさかロイド、シャーロット様の手紙とか握り潰してないよね?……やってそうで怖い。


「よう、兄ちゃん、あんたその髪、黒髪だな?」


 ひとりの酔っぱらいがアレスに声をかけてきた。


別の酔っぱらいも寄ってきた。


「その髪本物か? 隠しとかないと屍兵に捕まるぞ」


「そうだぞ~特に兄ちゃんみたいな剣士っぽい奴は勇者狩りにあうぞ~」


口々に酔っぱらい達がアレスに話しかけてくる。


「俺はな昔、アレス様に会った事がある。ちょうどあんたみたいな背格好で……あんた……アレス様?」


どっきーん!


「なんてな! そんなわけないよな~あ~本物現れねえかなあ、生きてるうちに勇者アレスをもう一度見たいぜ」


がははははははっ!!


酔っぱらい達が笑う。


本物ですけどね。


「とにかく気を付けろ、さっきも若い男が勇者狩りに捕まってたぞ。そっちの金髪の兄ちゃん、あんたもだ!」


「御忠告ありがとう。気を付けます」


ロイドが答えた。


 絡まれたのかと思いドッキリしたけどいい人達の様でした。


ところで勇者狩りってなに?










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