121、星降り祭りに行きたい
夜になり窓から星が見える。
空を見上げながら星降り祭りの事を考えていた。
ああ、王都ではどんな祭りになるのか。以前より規模が小さくなったとか言ってもモーモでの祭りより絶対にスゴい筈。
いっそのこと着ぐるみウサギで抜け出そうか。
でも王都は広い。広すぎる。
フラりと行ったら完全迷子になるだろう。
前に街に行った時はフェルに付いていっただけ、実際はどうやって王宮を抜けるのかも良く分からない。
王宮からの抜け道ってどこだっけ? 出たところもどこなん?
そもそも私ひとりで使えるの?
結局ムリそうだ。
私は布団にダイブした。
そしてベッドの上で転げ回る。
うーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
うきーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!
この気持ちをどこにぶつけていいのか分からないーーーーー!
ゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロ!!
「リリア様、どうされたんですか!?」
いつの間にかマルタがいた。
み、見られた……!!
うわっあまりに回転してたから気持ち悪っ!
「ノックをしてもお返事もなく、心配で……」
マルタが戸惑いながら言う。
ごめんねーーー!
何かに取り憑かれたような怖い子供だったね。
こりゃ引かれるよ。
「な、なんでもないの、新しい運動だよ」
苦しいが誤魔化す。
「そうですか……」
マルタは心配そうに見ている。
「あの、リリア様……最近お元気がないので、何かありましたか? 私では力不足かもしれませんが、よかったらお話下さい」
うわーーーかわいい。
マルタって本当かわいいな~
なんて見とれている場合ではない。心配かけてごめんなさい。
「ううん何でもないの。ただ星降り祭り行ってみたいなって……」
「星降り祭りですか? 私も行った事はないですが、確か明日と明後日でしたね」
「え? 王都って二日間もやるの?」
「以前は五日間だったらしいですが年々縮小されてるらしいです。他の街からの観光もあったようですよ」
「うわーーーいきたーい! いいなー!!」
「え、行きたいですか……?」
「え、そりゃあ……」
マルタは何か考えたあと、良しっとなって
「ちょっと相談してきます」
と部屋を出て行った。
えーーーーーーーーーーマズイよーーーーーーー!
ロイドの耳に入ったらおこられそーーーーー。
なにワガママ言ってやがるって激おこしたらどうしよう。
しばらくしたらロイドが部屋に来た。マルタも一緒だ。
「姫様、話は聞きました。今日はもう遅いので詳しくは明日お話ししましょう」
目線で抜け道を示してきた。
あ、フェルの地下室でってこと?
「はーい!」
とりあえず怒られなくてホッとした。




