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119、映画は覚えていなかったな

 映画のスクリーンだ。


 何の映画だっけ? 前世で見たな。

黄色のチマチマしたやつがいっぱい出てくるやつ。


でも内容は全く覚えてない。


何かに気を捕られていたから……


何かって……? 何だろう。


そうだ、隣に和くんがいてドキドキだったんだ。


「これ見たかったんだ」

とか言いながら全然見てないの。


だってほとんど和くんを見ていたから……

和くんを意識し過ぎて映画なんて頭に入りませんよ。


 何やってんだろね、私。


しばらくスクリーンを見ていたがさっぱりだ。

音声がない。

無音の映画。


私が覚えてないせいかもしれない。

所詮は私の頭の中の夢、私が知らない事は出てこないだろう……



 ふと気がつくと、隣の席に誰かいて一緒に映画を見ている。


長い黒髪の女の子。またこの子だ。


よく登場してくるから、仲良かったのか……名前も分からない女の子、そろそろこの子に呼び名を考えようか……


長い黒髪の女の子……


黒長子……長黒子……(センスなし)

どっちがいい? どっちでもいいや。


 映画が終わったようだ。周りが明るくなり、人が出ていく。


 私達も立ち上がった。


黒長子が私に手を伸ばしてきた。


一緒に行こうってこと?


 黒長子が手を繋ぎ私を見上げ、はしゃいで何か話している。

自分が見上げられる事などリリアには全く無いせいか違和感だらけだ……


良く表情の動く子だな。

にこにこと嬉しそうに……

あんたいつも幸せそうね。


ーーーーーーーーーーーーーーー。


ーーーーーーーーーーーーーーーーー。


 目が覚めた。


知らない天井……ではなく、いつもの天井だ。


なんかすごく疲れた。


軽くノックがしてロイドと、マルタが入ってきた。


喉がカラカラだった。


 お湯を蜂蜜で溶いて柑橘類が入った飲み物をマルタが渡してくれ、それを飲み干した。


やっと熱が下がり動けそうだ。


熱が下がったからお風呂に入りたいと言うとマルタがすぐに用意してくれた。


 ロイドが私を抱っこして浴槽のある部屋まで運んでくれた。

あれ? いつからこんなに甘くなったんだ? うちのお父さんは……


そうだフェルは?

ロイドに尋ねようとしたが、ロイドが首を横に振った。そうだフェルの事王宮で話しちゃダメか……。

後でゆっくり会いに行こう。


ロイドが部屋を出て、マルタのお世話でお風呂に……


頭を洗ってもらいスッキリして湯船に浸かった。


ああ、生き返るーー。


この世界にお風呂があって良かった。


村にはなかったけど、王族はお風呂に入れて良かった。


ありがたい。温かい。


そう言えば、あの夢…私アレスの中にいた?

凄く寒くて冷たかったんだ。


あれは本当? それとも熱のせいで見た、ただの夢?


後でフェルに相談だ。


もしアレスが寒がっているなら温めてあげないとだ。








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