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109、アレスの50センチ以内に入る女は許せん!!

 翌朝、久しぶりに寝不足っぽかった。


 起き上がるとベッドの隅にピンクのぬいぐるみ(着ぐるみウサギ)と飴がいっぱい詰まったポシェットが置いてある。

 そして横にはへこみや汚れのない屍戦士の鎧を着たアレスが立っていた。


 すごーい! フェルってサンタさんみたい。

夜中にこっそりプレゼントを置いていってくれる親切な人だ。


「おはよう、アレス」

昨日は大変だったね。鎧はやられてたけど、アレスの中身が無事で良かったよ。

私はアレスと手を繋ぎラブラブ充電をする。


 しばらくするとノックがし、サクラコがやって来た。

今日もマルタはいない。


 昨日のマルタは衝撃の告白だった。

何とかしたくても何も出来ないのが苦しい。


「今日、マルタは……?」

サクラコに聞いてみる。


「はい、具合が悪いそうです」

ピシッとした姿勢でサクラコが答える。


「!!」

昨日のショックでだろうか?

それとも病気と言っていた事と関係があるのだろうか?


「どんな感じだった?」


「どんな、と言われましても……私は直接会っていないので分かりません」

サクラコがきっぱり言った。


そうか……。私は着ぐるみウサギを見た。

よし。お見舞いに行っちゃおう。


 そう思っているとサクラコがアレスを見ていた。


何? イケメンオーラでも出ちゃってる?

隠しきれない?いい男オーラ!


「あの……姫様の部屋にいる屍戦士はいつも同じ者なのですか?」


「そうよ、私のお気に入りの人だから大事にしてるの」


サクラコがなんだか訝しげにアレスを見ている。

「この国に来てから屍だらけで驚きました。私の国では考えられません。亡くなった者は神に近い存在となる為、敬い、埋葬しなければなりません。この国では人が亡くなると、全て屍兵にされるそうですね。死者の魂はどうなってしまうのでしょう?」


「さ、さあ……?」

ごめんね、私もさっぱり分からないのよ。

屍を使って兵士にしちゃうってのは普通の平和な考えの人では考えられないよね。もし自分の身内だったらかなり嫌だよ。本当は屍兵達を解放してあげるべきだよね。亡くなった後もこき使われるなんてひどいことだもん。


 でもこれは人のフリをしている魔王のせいだ。


何とかしたいです。


でも私って無力。しくしく



 気がつくとサクラコがアレスにかなり寄っている。


ーーーーーーーー!?


 なにしてるの? 私のアレスの50センチ以内に入る女は許さないわよ!


 サクラコの手がアレスの仮面に伸びる。


ダメーーーーーーーーーーーーー!!


 私は全力でサクラコにタックルした。が避けられた。


サクラコの手はそのままアレスの仮面へ


「仮面取ったらダメ!」


 サクラコの手がアレスの仮面にかかったと思ったとき、サクラコの腕が掴まれた。


アレスがサクラコの手を掴んだのだ。


 そのまま手を払い、転がった私のところに来て私を抱き抱えた。


サクラコは私が何でコケていたのか分からないようで

「ん?」となったがあまり気にしてないようだ。


私はキョトンとしていた。


 アレスがまた勝手に動いた。まるで意志があるかのように……


「仮面は勝手に取らないでね」


一応、念を押して断った。


「はい。」


サクラコが答える。


サクラコがアレスに興味を持っている?


気を付けなくちゃ……













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