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108、本当はもっと強いですから!

 ところで今のはなに? 勝負がついたの?


アレスがこけたから負けとか言いたいの?


あんなのはたまたまですよ。

本当はアレスはもっともっと強いです。

岩場とかで戦わせるのはどうなのよ。

鎧を着ていて足場が悪いのは不利ですよ。


本当のアレスはスゴいんだから!!



 私とフェルは細い階段を降りて二人の元に行った。


"ぷるるん"は階段までついてきたが、何故かまた戻っていった。

結構気まぐれなやつっぽい。


「姫様、夜更かしですね」


ロイドにギロっと睨まれた。


ドキッ! だって見たかったから……。


「お疲れ様~」


フェルがロイドに小瓶を渡す。

ハイポーションのようだ。


勿体ないよ。ロイドほぼケガないじゃん。


 ロイドは小瓶をじっと見てから私の方をチラッと見て、そして飲んだ。

前にハイポーションを飲ませたときの出どころがこれで確定、完全にバレた。

 でもどうせそうだと思ってたでしょ?だからいいや。



 私はアレスにしがみついた。鎧にはあちこちヒビやへこみ、そして切られているところもある。こっちの方がハイポーション欲しいよ!


「ロイドはケガしてないんじゃないの?」


口を尖らし、ちょっとイジワルっぽく言ってみた。


「……怪我してましたよ。アレスに脇腹殴られてあばら骨いってましたから……」


そうなの? 私が見てないとき?

ちょっと見たかった。


アレスがやられていただけじゃなくて良かった。


ロイドがため息をつく。


「姫様は私を"お父さん"と慕ってるかと思えば憎まれ口を叩く……思春期の娘は難しいですね。」


は? なに哀愁出してんの? もとはと言えばロイドがかなり私に厳しいからでは!?


「ロイくんがお父さんか~いいな~」


何故かフェルが羨ましがってる。何にだろう?

羨ましい要素ある? こんな厳しいお父さんですよ。


「……で、どうだった~アレスは?」


「現時点では普通の屍戦士よりは強い位ですね。これが本来の動きだとは思えません。前に見た時はもっと動きが良かったので強さに斑があるのでしょうか? 時間がある時に少しずつ私と演習していき、様子を見ます」


「そっか~、じゃあロイくん、また来てくれるんだね」


フェルが嬉しそうにロイドに寄って行ったがヒョイっと避けられ、


「時間が無いので帰ります。姫様も早く帰りなさい」


と足早に帰って行った。


 その後アレスの鎧を脱がして中身の確認。


包帯が所々切れていた。


 これのせいで動きが悪いってことないよね?


「アレスの事は心配ないよ~どこも怪我してないし……リリアは帰ってもう寝ておいで~包帯を新しいのにしてからアレスを連れていくから」


「そう言えばフェル、ロイドにアレスを見てもらうとか言ってたけど帰っちゃったね。いいの?」


「今日はもう遅いし、夜にマルタちゃんからあまり離すのはよくないからね~後で見てもらうよ~」


夜にマルタから離すの良くないの? マルタの病気と関係あるのかな?


アレスを置いていくのは相変わらず嫌だけど私がいても特に役にはたたないだろうし、


「じゃあフェル、アレスをお願いします。おやすみ」


大きなあくびが出た。

私が戦った訳ではないが疲れている。


そして自室にもどり眠りに就いた。

















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