104、スライムが現れた!!
プルプルのベッドに呑み込まれる!
そう思ったときアレスが私の手を掴み抱き抱えた。
!! 助けてくれた?
感動!
私のピンチにさっと助けてくれるイケメン勇者!!
アレス! 大好き!!
私はアレスにしがみつく。
今勝手に動いて助けてくれたよね?
なにこれ?……愛?
私への愛?
もうこれは両思い?
「あれぇ? リリア来てた~」
プルプルベッドがプルプルしたせいでフェルが起きた。
「いらっしゃい、リリア~」
寝ぼけながらアレスの足にスリスリしている。
「フェル、それなにか動く! そのベッド変だよ! 食べられちゃうよ!!」
プルプルしたものがフェルとアレスの足にしがみつく。
「ああ、このこは大丈夫~」
フェルが欠伸をしながら立ち上がる。
するとフェルの隣のプルプルしたものが2メートル位の大福のような形状になる。
これは何か知っている!
この世界で見たことは無いが、ゲームでよく見るあれだ!
「スライム……」
「そうだよ~リリアよく知ってたねぇ! 昔はその辺によくいたんだよ~最近はあまり見かけないけど、魔素が増えたらあちこちで湧くよ~」
「それ大丈夫なの?モンスター……魔物だよね?」
プルプル、プルプル
「うん。なついてるし~昔アレスとニーナとボクで戦ったらなつかれてついてきちゃったの~、言うこともちゃんと聞くよ~。この地下室に放し飼いしてるんだけど、時々行方不明になるの~」
ふ~ん。それは……"スライムが仲間になりたそうにこちらを見ている"って言う例のヤツですか……
眠気がすっ飛んでしまった。
こんな生き物が本当にいるとは……
「前にアレスを紹介した時にリリアに"ぷるるん"も紹介するつもりだったけど、そのままになっちゃってたね~。ちょっと最近までまた行方不明だったけど昨日帰ってきたんだ~」
ああ、そのスライム、"ぷるるん"て言うのね。
行方不明って何処に行ってるんでしょう?
半分野生? 庭で会ったらビビるよ!
屍兵とセットで現れたらもうこれは『モンスターが現れた!』って戦闘モードになるしかないでしょう!?
「よ、よろしく。ぷるるん」
一応挨拶した。
プルプル……
するとぷるるんは私の右手に触手のように伸ばしたプルプルの腕? を出してきた。
え? 握手?
私が手を出すと私の手がとぷんっと包まれ、握手の様なことをした後、スライムの本体に触手の腕は消えた。
「リリアがいきなり乗ってきて驚いたって言ってるよ」
言葉わかるんかい!?
「あ、うん、ごめんね、今度から気をつけます」
スライムに謝った。




