100、マルタの心配
100話です。「プロローグ+100話」
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ついに5日目。
魔包衣が完成の日。
アレスとロイドが戦う日だ!
私は朝からソワソワしていた。
「姫様どうされましたか?」
私の様子がおかしかったらしくサクラコが聞いてきた。
今朝は早くもサクラコがひとりで私のお世話に現れた。
やはり物覚えも早く、サクラコは出来る人のようだ。
でもなにかおかしいところもある。
仇の仲間であろう私達にペラペラ話してしまうあたり……
「何でもないよ。ロイドは?」
「ロイド様は今朝早くに本宮に呼ばれて行きました」
え? こんな大事な日に、なに呼び出しちゃってくれてるんよ!
誰だよ、呼んだの。
「マルタは?」
「マルタさんは今朝から変です。お皿を三枚も落としました。様子がおかしいので休んでもらってます」
え! 大丈夫なの?
「私、マルタの所に行く!」
まだ髪も結んでいないが急いで部屋を出た。
階段を降りようとするとマルタがいた。
「リリア様、今朝はすみません」
「マルタ! 体調は大丈夫なの?」
「いえ、体調が悪いわけではありません、大丈夫です。サクラコにも迷惑を掛けました」
え、でも顔色悪いよ。
いつもの透き通る肌が更に透けそうだ。
とりあえず私の部屋に入ってもらった。
「マルタ、座って。無理しないでね」
「本当に具合は悪くないんです。大丈夫です」
それでも無理に座らせた。
どうしたんだろう……? 具合が悪くないと言い張るがそうは見えないし。
ま、まさか……
「マ、マ、マルタ……まさか……妊娠!!? つわりとか?」
「え? 本当ですか、マルタさん!?」
マルタがキョトンとした。
「……? 違うと思いますけど……」
え? 違った? 私すごい失礼じゃん、ごめんなさい。
ものすごい軽はずみな発言でした。反省!!
「心配おかけして、すみません。朝ロイドが本宮に呼ばれて、それが心配で……」
そうだったのね。変な勘繰りしてほんとごめんね。
前にケガして帰って来たんだもん。心配ですよね。
「ロイドはどうして呼ばれたの?」
「何でも今"勇者が復活した"という噂があるそうです。その事で呼ばれたらしいです」
ドキッ!!
そんな噂が……
これはマズイ!
ロイドに何かあったら……
ソッコー裏切られる!?
私は冷や汗が出てきた。
するとサクラコがマルタに毛布をかけた。
ん?
「妊娠の初期は身体を冷やしてはいけません!!」
あれ?
「自覚症状が無くても注意です!」
いや、本人否定してたよね?
サクラコって……
「ありがとう、気をつけます」
て……、何でマルタまで肯定ぽい返事を?
結構このふたり似たタイプだったか。
サクラコはしっかりしているシーラとレイラ派ではなくマルタ派でした。
何がって? ボケ具合がピッタリ? (失礼だよ)




