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そして本編は始まらない

段々主人公が変態染みてきました。あれ?おかしいな。普通の主人公ってなんだっけ?

普通に生きるのが一番難しいのよ、と昔母が言っていたのを思い出しました。


そんなこんなで、一話目みたいなイケメンな幼なじみに襲われる状況に陥ったオレは、現在高校一年生の秋である。

ちなみにオレが前世でこのBLゲームをやっていた時、本編は一年生の新学期から始まっていた。つまり、ここまで幼なじみ以外に男には迫られなかったのだ、やったね!・・・あと、

彼女もできていないままだ。(泣

「・・おかしい。」

「?どうかしたの?涼。」

昼飯を一緒に食べていた瀬利は、オレの一人言に返事を返した。何故こいつとはクラスも違うのに一緒に食べているのかという問題は・・うん、察してくれ。哀しいことに、オレには前世も現世もたいしたコミュ力は備わっていないのだ。つまり友達がいない。両親はめちゃくちゃコミュ力高いのになんで遺伝してくれなかったんだろう・・・。まぁ、いいや。

「なぁ、瀬利。おかしいと思わないか?」

「だから何が?」

「このっ、状況がだよ!!」

今のオレは瀬利に後ろから抱きつかれている状態だ。ついで言えばここは教室。周りはいつものことだからと気に留めていないが、オレが現世で友人ができないのもこれが毎度昼休みに行われていることが大きい。というか、元凶はコレだろ!

「なぁ、なんで毎回オレを抱き締めながら飯を食うんだ?

食べづらいだろ。」

「いや、別に。涼はさ、邪魔にならないサイズだから大丈夫だよ。」

「それは暗に小さいと言っているのか?」

抱き締めやすいってこと。そんなに怒らないでよ、パンあげるから許してとか言っているが、オレはパンごときに絆されるような安い男じゃないんだからな!・・モグモグ、購買の癖に案外旨いじゃないか。

「まぁ、いい。これはいつものことだし、正直諦めてるからな。言ってみただけだ。」

「ふむふむ。」

「本題はな、・・・」

一呼吸おき、溜めて言う。

「――――お前以外の友人が出来ないということだ。」

どうしました?もしかしてオレがなかなかゲームの本編が始まらないことに疑問を感じていると思いましたか?オレにとってゲームの本編なんてどうでもいいし、むしろ始まらない方が好都合なのです。オレ、ホモでもなければバイでもないし。

問題は後ろにいるこいつしか友人がいないということと、あと、この年になっても彼女がいないということ。

最初は良かったさ。悪女さんを彼女にしようとやる気満々だった。だが、蓋を開けたらどうだ?所詮彼女たちは攻略相手に全く関係ない平凡なオレなど眼中にあるわけもないし、ていうかどうでもいいモブ。それが彼女たちの中でのオレなんだろう。てか、オレのこと認識してくれてるのかな?皆さん。不本意ではあるけど、一応この世界の主人公よ?オレ。

唯一、オレの中の女子の知り合いと言えばもう一人の幼なじみである夜光 希沙ぐらいなもんである。いや、彼女に不満があるわけでもないし、彼女がオレの好みからかなり外れてるわけでもない。何度だって挑戦は試みたさ。だがな、ゲームの補正でも効いているのか、全然靡くどころか気づく気配すらない。このパターンどっかで見たことあるなーとか思っていたら彼女はイケメン大好きなミーハーになってしまっていた。つまりオレは彼女にとってやっぱり眼中になし。・・誰かオレを見てあげてよ!

「はぁ、転生しても現実は厳しいまま、か・・」

「元気だしてよ涼。よく分からないけどオレはずっと涼の味方だよ?」

(・・味方、ねぇ・・)

それもこの世界がBLゲームだということを考えれば、作られた言葉だなって思って更にへこむ。

どれだけ、甘い言葉を吐かれようとも、胸キュンなイベントになってもオレがオチることはない。それはオレがノンケであるってことを差し引いても変わらない事実。ついでいえばこいつが友人であるかどうかも疑わしい。作られた世界に決められた友人。いっそ、前世の記憶を受け継がなければこんな苦しい思いはしないんだろうと思うことがあるけど、オレは華たちのことは絶対に忘れたくないんだ。

だから、シナリオにない道でせめて友人を作りたい。だけど現実は厳しい。

「・・せめてコミュ力だけでもついててほしかったかなぁ・・」


「ちょっと、どこ見て歩いてますの?!この凡人が!」

「ひぃっ!!すみません・・!」

とかなんとか言ってたらまさかのイベント発動。廊下の曲がり角で可愛い女の子とドッスンコしちゃったお!

その可愛い女の子は今や見る影もないほどにガンくれてるけどね!!

この女子の名はたしか・・如月 侑李(きさらぎ ゆり)。ゲームのキャラクターだ。で、役職はというと、

「聞いてますの!?・・まったくこれだから家畜などと同じ学校は嫌だったのです・・、色様が通われてなければこんな学校来たくなんてありませんのに・・あ、勿論色様の選択が間違いだったなんてことは億が1にもありえませんけど!!

こんな豚どもが色様と机を並べて毎日をぼけーっと過ごしているのが問題なのですわ!

・・あぁ、色様の隣にいるのはわたくしだけで十分だというのに。」

・・まぁご覧の通りですね。そう、彼女はオレがずっと渇望していた悪女キャラさんです。

琥珀色の長く伸ばした髪を緩く巻き、少しキツメの瞳はまさに性格を表している。しかしパーツが整っているため決してブスではなくむしろ美少女。更にスタイル抜群の前世の幼なじみにも匹敵するほどの大きい御胸さまを持っている。

見た目だけならばパーフェクト。だが、世の中はそう甘くないのだ。

箱入り娘で甘やかされて育ったお嬢様、そのため自分以外を格下だと思い込んでいて、自分が盲目的に恋している黒澤 色以外は全て家畜に見えるという女王さま?という設定だったか。

だがな、オレをなめてもらっちゃぁ困るぜ。

罵倒?ご褒美ですけどなにか?ゴミを見るような視線??おかわりお願いしてもいいっすか!?悪女?ホモじゃなけりゃあなんでもいいよ!!

「・・・」ぶつぶつ

「ちょっと、いい加減にっ・・ひっ!!」

オレの胸ぐらを掴もうとしていた手はオレにより止められた。そして、顔をあげ、彼女の目に写っていたオレは目が血走り、・・まるで、いや性犯罪者そのものだった。

「はぁはぁ、延長でお願いしますご主人さまぁぁぁぶひぃぃぃぃ!!!!」

やっと掴んだフラグをわざわざ手放してやるかよぉぉぉ!!ホモ以外ならばどんな性悪女だろうがついてなけりゃいいんだよ!!

しかも巨乳美人!こりゃあ男の理性は抗えないべ!!

「うへへへへもっと罵ってくださいご主人さまぁぁぁ!!」

「い、いやぁぁぁ!!!わたくしが悪かったですわ!!謝るから近寄らないでよぉぉぉ!!」

数十分後、女子生徒をはぁはぁ言いながら追いかけ回していたオレは誰かのタレコミにより指導室で一時間の説教と反省文を書かされた。


「・・あの女、許さない・・。和くんは××のなのに、××の和くんなのに・・。」

ぎりぃ、唇からは噛みすぎて血が流れていた。

次回からホモくなればいいのにって思います。

※コミコ様でもう一つ投稿させていただいている

「ヘタレ勇者とオレ女」

こちらもよろしくお願いいたします!

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