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邂逅

書くのが遅すぎてすみません。

もう二度と会えないと思ってた


『呼んだか?』


幼い頃からずっと聞いていたあの声じゃないけれど、彼らしく、暖かい声。

「和、くん」

「うん、久しぶり」

(和くんだ・・・・)

「・・・ぅえっ、ひっく・・うああああ

がずぐん"ん"ん"ん"ん"ん"!!!!」

「っっ うおおっ!!? ちょっ、ちょ、ま、

え、えっと、あのっ・・・とりあえずっ、

待って!!」

そのあと、私が泣き止むまで和くんはおろおろしながらも私を宥めてくれた。

その時の私の顔は今まで以上に汚くて、・・

もう涙やら鼻水やらでぐちゃぐちゃだったのが今、

「・・マジで×にたい・・・。」

「え、と・・・その、仕方ないって。

オレが間違いなく百パー悪いし、だから、その、・・・気にすんなよ!」

(和くん・・・・)


めっっっっちゃ気ぃ遣われてる・・私・・。


タイムマシンとかないかな・・、もしくは青いタヌキさんとか。

もう今までのどうちゃらとか関係なく今普通に×にたい・・し、あと、目の前にいる和くんの記憶も消したい。

「あっ、あのさっ!」

和くんが話題を逸らすように言った。

「オレね、ちょっとさっき色々あって大体の事情を聞いたんだ。」

今、オレに何が起こっているのか、とか、華や皆がやろうとしてたこととか、あと、

「オレが今まで無くしていた過去の記憶とか・・」

「えっ、それは私 知らないんだけど」

「えっ・・あ、まじか。まぁ、だよな。

・・・──うん、でな今オレが思っていること言っていいか?」

「・・・うん、」

何を言われるんだろう。こんな場面でじゃないけど、もし彼にゲームの世界でバレたときのことは何度か頭の中でシミュレーションしてきた。

それは多分そのときの私へのダメージやら緊張を事前に回避するための無意識の行動だったのかもしれないけど、現実は考えれば考えるほど怖くなっていっていつも途中でやめちゃったけど・・。

( " もっと自分の命を大事にしろ " みたいな説教かな?

それとも、" 無関係だった私を巻き込んだ " ことによる謝罪?

もしくは、こんなことまで追っかけてきたことへの軽蔑? 呆れ? )

あぁ、まただ。 また、思考がマイナスに向かっちゃってる。

今更だけど私って結構ネガティブだよね。あとめんどくさい。


だって、彼はまだ" なにも言っていないのに "。


はぁ・・・って、息をゆっくり吐いた。その音に反応して彼の顔を見上げた。彼は私と目が合ったことに一瞬吃驚したけど、ちょっと気まずそうに顔を逸らしたあと、やや震えた唇に言葉をのせた。


「・・・・・まっ・・、まだ、あのときの告白中途半端だった、っなーー、・・ナンテ・・・・。」


「は??」


「・・・・。」

彼は申し訳なさそうに視線を地面に落とした。

だって、あんだけ溜めて、こっちは事前にダメージをなるべく削減するためにシミュレーションまでして(←意味なかったけど)、自分で望んだこととはいえ、私だって今まで色々彼を助けるために頑張って来たっていうのに、それが

"告白まだだったなぁ"!?

なんていうことだろう。彼はいきなり死んですぐにゲームの世界という濃い生活を送ってきたから分からないだろうけど、こっちは和くんが死んだあとどれだけ悲しんだと思ってるの!?いきなり遺された人のこと考えたあるのかなこの男は!!

私なんか目の前で和くんが×んだんだからね!?

沸沸と自分の中で怒りがたぎってきた。自分の中の天使と相談してみた。答えはレッツゴー!だった。

「和くんっっ!!」

ビクッ「は、はいっ!!」

「今のはちょっと・・・無神経過ぎるよ。」

「・・いや待って、あのこんなはずじゃなかったんだけど・・なんだろう、その

・・・ゴメン・・・。」

「・・・・」ムスっ

これは本当、自分でも怒っていいって思った。

だから和くんは モテないんだよ。顔の良し悪しとか関係なしに。無神経め。


モテたらモテたで困るけど。


すると和くんは、うーー、とか、あ"ーーとかうめきながら必死に言葉を頭から絞りだそうとしていた。

弁解しようとしてるのか、私のご機嫌とりでもしようと思っているのか。

なんにせよ、もうなんも考えないことにした。

だって和くんにそういうこと考えるだけ無駄だとさっき身をもって知ったから。

和くんは頭を振り回しながらうめいていたけど、振り回してるうちに、また私と目が合って

今度は観念したように、私と目を合わせたまま話しかけた。

「あのな、いやここに来るまでにいっぱい色々自分の中でも考えたんだよ。謝罪とか。

でもさ、沢山考えたけど、なんかどれも違うような気がして。

謝罪にしたって、謝ったらお前の気持ち全否定する気がするし、

説教なんて論外だろ。お前の今まで頑張ってきたこと ただ事実だけを聞いたオレが軽々しくそのときの苦労とか考えないで否定することになる。

それでそのうち、華たちがやってきたことがはたして 正解だ とか 悪い ことなのか、よく分からなくなってきて。」

だって、やっぱり嬉しかったから。

「現金だよな、オレ。きっと世間や大人はきっと絶対いけないことだって言うんだろうけどさ、オレ、年齢的には結構いい年なんだけど、まだまだガキだから。

あぁオレが死んだあともちゃんとオレのこと考えてくれた人がいたんだな、とか

こんなに必死になってこんな場所まで来てくれたんだな・・みたいな。」

「えっ、ちょっ、ちょっと待って!・・和くん。」

「・・・ん? どうかしたか?」

吃驚した。だってまさかこんなこと言われるなんて思ってもなかったことだから。

「・・ひ、引いて、ないの?・・私のこと。」

「えっ? なんで??」

「だっ、だって私っ 、ぜんっぜん関係ないじゃん!

いくら幼なじみでずっと一緒にいたからって、たかが他の子より長くいただけの赤の他人なんだよ!!?

それが、こんな、こんな世界まで追っかけてきて、ストーカーみたいに 自分のエゴで和くんを助ける とか、頼まれてもないことやって、和くんが望んでないかもしれなかったのに・・。」

頭がまとまらない。否定されなくて嬉しかったはずなのに、天の邪鬼なのかな、もどかしい焦りみたいなのが自分の中にあって、それが言い訳みたいに外に出た。

自分でもこれはめんどくさいなって思ったけど感情が抑えきれなかった。


じゃあ、なんて言ってほしかったんだ、みたいな。


和くんは困ったように頭を掻きながら、目を泳がせた。

「・・うーーーん、まぁこんなオレのために命を張りました───みたいなのはちょっと・・って思ったけど、」

ガクって、きた。ほらやっぱ引いてんじゃん。顔に熱が集まるのを感じた。しかしそのまま和くんは続けた。


「でも、やっぱり


───自分の好きな人にここまで思われてるなんて、滅茶苦茶 嬉しいだろ。」


「はっ?」

「あ」


本日二度目の「は?」だ。

えっ、だって・・今、聞き間違いじゃなきゃ・・

「和くんって、私のこと好きだったの?」

「・・・やっべ、つい言っちゃった。」


今までのマイナスな気持ちが一気になくなって、プラマイゼロになった気がする。


やっぱり和くんは凄いなぁって、そんな現実逃避をした。



最近展開遅すぎて亀かよって思ったけど、亀って実際結構すばしこっかったような気がする。

どうなんだろ。種類によって違うんだろうか?


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