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secret GARDEN- Klotho -  作者: 蜜熊
QUEST3: fairytale book (御伽草子:酒呑童子)
91/226

SAVE5:guardian

PLAYER: 斗真



TITTLE:遅れる!


-------------------------------------------------------


学校の課題にてこずって今まで塾。これから帰ってINするから集合時間には遅れる。

ごめん!




Log out:00:48:AM

 -message from SG



-------------------------


-----------


(斗真くん遅れるんだ…珍しい)


清宿駅の構内でメールを確認していたところ、少し前にその人物からのメールが来ていたことに気が付いた。


(正親さんは今日入らないかもって言ってたしな)


2人とも当然自分達の用事や学校があるんだから入れないなんてことは変でもなんでもない。

私と違って昼間動くなんてことはもちろん出来ないだろうし、斗真くんは勿論だけど、正親さんも学校に行ってるような言い回し方をしている。


(イベントも結局やらないって決まっちゃったし、無理に今日集まる必要もないしね)


いつもいつも2人に付き合ってもらうのも悪いし、今日はこれから帰るというのだから無理はしない方がいい。


そう思ってメールの返信に



『今日は1人で出来るクエストやるから無理しないで。また都合がついたら付き合ってもらえるとうれしいな』



と打ち込んで送信した。


(どうしようかな…)


1人だから出来るクエストだって限られているし、かといって前のように野良を募集すべきかなと考えてやめた。


(野良でも絶対迷惑かかるしな…)


自分のレベルより下のクエストもあまりないし、たとえそれにのこのこ行ったとしてもレベルに見合う活躍が出来そうもない。


(私も何か武器とか…使えるようになった方がいいのかな)


正親さんのように格闘系にはどう転んでもなれそうにはないから、せめて何か手ごろな使いやすいものでもあれば多少なりとも戦力になれるのではないかと考えるが、自分が使えそうなものの候補が挙がらない。


あのプラスチック製のバットは、大して働きもせずべこべこになってしまったのでもう使えないし、その他の武器をと考えても、だいたいが重たい・使いこなせそうもない・装備に必要な値が足らない、のどれかに当てはまる。


(スキルカードとかなのかな…やっぱり)


体や武器に付加しなくても『毒風』は使えたから、攻撃が出来るスキルカードがあれば、とりあえずの丸腰からは脱却できるかもしれない。


(丸腰ではなくなるだろうけど)


それを手に入れたとして、それを使うことが出来るのかと言われるとまた別問題になるかもしれない。


今のところ斗真くんがクエストを選んでくれているおかげで、敵が動物だったり植物だったりで、私もある程度怖がらずにいられるけど、それが人型だったり、ましてあのクエストの時と同じように得体のしれない大きな力を持った相手に対峙した時、私は同じように戦えるのか。


(……)


すぐに答えられないことがそのまま今の私の気持ちの答えなんだろう。


こつんとブーツのかかとを蹴ってうつむいていると、駅の構内がにわかに騒がしくなり始めた。


理由は改札の前に立つ駅員がその近くのプレイヤーに対してアナウンスした内容ですぐわかった。



「後70分後に期間限定のイベントが開放されます。参加表明したプレイヤーは必ず2人1組の状態でお待ちください。ペアがいない人はご案内しますので駅員まで声をかけてください」


「なおイベントに際し入り口が混雑しますので、参加希望以外のプレイヤーは使用時間をずらしてご利用ください」


(ここがイベントの集合場所だったんだ)


70分前にも関わらず集まりだしたプレイヤーの顔はどの顔も自信と強さをみなぎらせているように見える。

そんな中それとはまるで正反対の顔をした私は浮いた存在以外の何者でもないだろう。


自然と後ずさりするようにしてその場から離れると、改札の近く、コード売場の隣に今まで使用したことがない機械が置かれているのが目に留まる。


「これ…」


- 普通の奴は駅に設置されている検索エンジンを使うんだけどな。使用値段もそれほど高くないし -



斗真くんが説明してくれた言葉が頭に浮かぶ。


それは最初の選択画面だけいくつかの項目が選択できるようになっている画面で、上から順番に『イベント検索』『クエスト検索』『武器・防具入手検索』『アイテム入手検索』『プレイヤー検索』と書かれていた。


(これが斗真くんが言っていた検索エンジン?)


確かに1回130kと書かれているからそれほど高くない。

試しにパスを通して『プレイヤー検索』を押してみる。


- 検索したいプレイヤーの名前を入力してください -


「……」


ミ・・


・・・ク



『皆守 匡』


- 該当プレイヤー 0件 -


(やっぱり…)


結果が分かっていても落ち込むんだったら最初からやらない方がいいと、2人がいたら絶対言われているだろう。

でもわかっていたからこそ、この程度のショックで済んでよかった。

1人でたまたまこの機械を見つけていて、この検索結果を見ていたらと思うと、受け止めきれていたかわからない。


(そういえば…)


気分を替えたくて指を彷徨わせていた時、ふとある人のある言葉がひっかかった。


- 検索したいプレイヤーの名前を入力してください -


ア・・・



『あまね ちひろ』




- 該当プレイヤー 1名 -

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