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secret GARDEN- Klotho -  作者: 蜜熊
QUEST2: la Pucelle d'Orleans(オルレアンの乙女)
67/226

Phase8-1

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------------------------



「・・・・る」


-----

「・・・・・・・・・・る」


----


誰?誰を呼んでいるの?


「ゆずる…」


「ま…ママ…」


目の前に立つ女性は見覚えがある。忘れるわけもない。


その姿は昔の光り輝いていた頃の母親そのものとそっくりだった。


いや、“そのもの”と言ってもいい位、それ位私には眩しくて、美しく感じる。


どんな表情をしても綺麗だった。顔だけではなく仕草も立ち振る舞いも、何もかもが綺麗に見えた。


自慢の母親だった。頻繁に家を空ける代わりに、その姿はテレビをつければいつでも見られる。


誰もが知っていて、誰もが羨む。そんな自慢の母親だった。


美しくて聡明で、


まるで匡とそっくりだった。


私とは全然違う。


「あんたが…」


その母親が私をはっきりと見て言葉をかけてくれた日のことは忘れない。


その日は雨が降っていた。


母親は玄関先でずぶ濡れになっていて、その隣で父親が泣き崩れてその場にうずくまっていた母親を支えるようにしてそばにいた。


真っ赤な水玉模様の傘をさして学校から帰ってきた私を見て母親はうれしそうな顔をしてくれた。


傘もささずにその場にいたせいで化粧は水で流されていたけど、そんなの気にならない位私にとっては綺麗で輝いている笑顔に見えた。


初めて私に笑いかけてくれたかもしれない。


その時の私はバカみたいにうれしくなって、思わず2人の元に駆け寄る。


「あんたが…」


「ママ」









「あんたがタスクの代わりにいなくなればよかったのよ!!」








色を無くしていく視界と、閉ざされていく聴覚の中で


真っ赤な傘の色彩と雨の音だけが嫌に耳に残っていた。




「…」


「……る」


ねえ‥お願いだから


「…で…」


「…る…」


「……ずる…」


私を否定しないで・・・


「ゆずる!」


「ママ…」


水の中から外を見ているような、曇っていた視界には、綺麗な長い髪の女性は映っていなかった。


「ゆずる!?ゆずるわかるか!?」


「…とう…ま…くん…」


「ったく心配かけさせやがって…」


「まさ…ちか…さ…」


「……ぁー…ったく」


正親さんが、目があった私を見て呆れたような困ったような顔をして頭を掻き、自分の服の裾で私の顔を無遠慮にこする。


「とりあえず…泣くな」


「あ…」


言われて自分が涙を流していたことに気が付く。

瞬きをすると、ぽろぽろとこぼれていく涙は正親さんの服の袖を濡らし、それでも足りないと催促するかのように私の頬を濡らしていく。


「オレが着いた時にはそこのメガネがゆずるを支えていたけど、何かあったの?そいつにセクハラでもされた?」


「おま…バカ言うんじゃねぇ。俺だって着いた時にはこいつが倒れてたんだ。文句ならそこの2人が妥当だろうが」


「2人…」


正親さんに支えられるようにして起こされた視界の先には2人の男性が見える。


その2人は私を見ると1人は軽く会釈し、1人は人好きのするような笑顔を向け近づいてくる。


「目、覚ました?さっきまでおれが支えてたんやけど、そこの人達が近づいたらアカンて睨むような目でみるんやもん」


そう言うと両手をひらひらとふる。


「あんたらなんかに任せられるかよ」


唸るように斗真くんが低く言うと、その1人、國鷹さんが大げさに肩をすくめた。


「怖いなぁ。おれ何も悪いことしてへんのに」


「おまえらの言うことなんて信じられるかよ」


「…おい」


「だってこいつら…っ」


「いいから黙ってろ」


正親さんが斗真くんを制止すると、言葉を飲み込んだ斗真くんがそれでも足りないといったように顔をしかめた。


「オレが着いた時にはそこのメガネがゆずるを支えていたけど、何かあったの?そいつにセクハラでもされた?」


「おま…バカ言うんじゃねぇ。俺だって着いた時にはこいつが倒れてたんだ。文句ならそこの2人が妥当だろうが」


「2人…」


正親さんに支えられるようにして起こされた視界の先には2人の男性が見える。


その2人は私を見ると1人は軽く会釈し、1人は人好きのするような笑顔を向け近づいてくる。


「目、覚ました?さっきまでおれが支えてたんやけど、そこの人達が近づいたらアカンて睨むような目でみるんやもん」


そう言うと両手をひらひらとふる。


「あんたらなんかに任せられるかよ」


唸るように斗真くんが低く言うと、その1人、國鷹さんが大げさに肩をすくめた。


「怖いなぁ。おれ何も悪いことしてへんのに」


「おまえらの言うことなんて信じられるかよ」


「…おい」


「だってこいつら…っ」


「いいから黙ってろ」


正親さんが斗真くんを制止すると、言葉を飲み込んだ斗真くんがそれでも足りないといったように顔をしかめた。

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