Phase6-2
― 『シンボル』ヲ 使用 シマスカ ? -
瞬間あたりは真っ黒な世界に包まれた。
音も聞こえない。
視界は黒一色で埋め尽くされて光の筋すら見つけることは出来ない。
その世界に突如襲ってくる激しい痛み。
「ぁあっ!」
その痛みに体を折り、両手できつく体を抱きしめた。
次の瞬間地面に重たい『何』かが落ちてきた。
突然視界が明るくなり、私の名前を呼ぶ声が耳に届く。内側から体を貫いていた痛みは消え、代わりに体の外から巻きつけられる圧迫感が戻ってきた。
『何』かが地面に与えた衝撃の弾みで地面が鈍く揺され、締め付けていた『ナニ』かが私の体からほどけていく。
「ゆずる!」
空中から投げ出された私の体を掬い取るように、正親さんが体を広げて衝撃を抑えてくれた。
胸元から顔を上げると、その先の視線が森神・・正確には森神の近くにあるものに向けられている。
「なんだ…“あれ”は…」
その視線を追うように顔をそむけると、そこには伏せている森神の背中を貫くように、大きくて硬質な1本の黒色の槍のようなものが刺さっていた。
それは一直線に森神の体の中から洩れていた光の球を刺し貫いており、その光の球はだんだんと光を失い大きなヒビを広げている。
『なぜ・・・・』
上げられた顔は木の木目のようにも見える模様のようなもので、私が最初に見えていたものはおそらく今壊れているあの光の球だったんだろう。
木目からは動かされる口も、瞬きする目もついていない。表情とも言えないその木目はけれどひどく悲しんでいるように見えた。
「お…おい」
制止する声を振り切るようにゆっくりと近づく。
森神は両手と足の根元の部分からさらさらと風に流されている。
「ごめんなさい…」
『・・・・』
「あなたを…森を傷つけて…ごめんなさい」
『・・・・』
玉が大きな音を立てて割れると、さらさらと崩れていた体が一気に霧散した。
「……」
うつむいて何も言えずにいると、2重の電子音が聞こえた。
― クエスト ヲ クリア シマシタ-




