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secret GARDEN- Klotho -  作者: 蜜熊
QUEST5:Intermission
138/226

Phase1-1

Loading1


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-----------------


「どうしよう……連絡がつかない」


何度も確認して送信としているはずなのに、エラーの表示を繰り返す。もやもやともどかしく画面を見ながら同じ動作を繰り返すばかりで、一向に事態は動いてくれない。


「斗真くん……」


今どこで何をしているのか、それは誰にもわからない。


個別クエストの先にそれぞれ逢いたい人がいた場所に出たことから、おそらくその場所にいるのはなんとなく予想はついているけど、そこで一体何が起こっているのか。それは想像の域を出ない。


冷静にパスで時間経過を見ていた周さんから時間を告げられ、それに正親さんが口惜しそうに舌打ちすると駅の構内に消えていく。


「正親さん」


消えていく背中を反射的に呼びとめたが、私のそれにちらりと視線を投げかけては再度駆け出していく。


「……」


もどかしくてたまらない。どうして私はいつも待つだけしか出来ないんだろう。


いつも何も出来ずにただ自分の元に戻ってくるのを待つだけなんだろう。


(……匡……)


帰りをずっと待っていて、やっと辿り着いた小さな道は目の前で消えてしまった。

探し当てた母親はもう私を見てくれることもない。


そしてかろうじて繋がっていたあなたへの道も、その道が消えてしまったのと同時に、また見失ってしまった。


それどころか、今目の前で私の足元を照らしてくれていた光が1つ、消えようとしている。


(お願い)


(お願いだから……これ以上私から奪わないで……)


「ゆずるさん……」


自然と震えていた肩を支えるようにして、周さんがそっと手を添えてくれた気遣いはありがたかったけど、うまく笑って相手を安心させることは出来ないでいた。


ただ帰りを待つだけなのがどんなに心細いかを知っていたけど、時間だけが無情にも過ぎてどれ位経ったのかわからない。


「!」


短い受信音が聞こえて慌ててパスを開く。


「……どうして……?」


そこにはなぜかある人物から“あるクエスト”のパーティーメンバーを募集する内容のメールが届く。

意味がわからずにその言葉だけ出してぼんやりしていると、私と同時に画面を見ていた周さんがおもむろに「そうか」と口にする。


「“乱入”か」


「……え?」


「さっきの公式が“乱入”者に対しても臨時キーを使って早く立ち去るよう指示している。

つまり、1度ログアウトしてから再度ログインし、この“乱入PT”に合流すれば、クエスト内で彼を発見して、臨時キーで還ることが可能だということです」


「らん……にゅう?」


「時間になれば残されているプレイヤーが一斉に同一フィールド内に召集される。理論上は可能です」


(助かるの……?)


私の質問にただうなずくだけの仕草で答える周さんの顔を見つめていると、再度パスから受信音が鳴る。


PLAYER: 正親


TITTLE:


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残り40分程度しかないが今からリログ(再接続)してこい。


オズのクエストにMUD HUNTERが乱入するからそれに合流して助ける。


集合場所は今いるバス停。先に戻って話をつけておく。




Log out:12:24:AM


 -message from SG


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


それはさっき走ってどこかに行ってしまった正親さんからで、周さんが教えてくれた、裏技のような救出方法と同じ内容が書かれている。


「正親さん……」


(助けられるかも……しれない)


もう間に合わなかったと、過ぎてしまったことを後悔したくない。


体も心も重たくなっているのは感じていたけど、足はよろめきながらもなんとか前に進んでくれる。

今はその勢いだけを考えていたい。


周さんに向くと一礼する。


「クエストご一緒してくださってありがとうございました。その……私」


言い淀んでいると、その様子を察してくれたのか、私が言おうとしていた言葉を代弁してくれる。


「クエスト乱入をするんですね?」


「……はい」


「わかりました」


その表情は相変わらず無表情に近いような静かなものだったけど、その瞳は私のこれからの行動を馬鹿にするでも呆れるでもないものだった。考えているかもしれないけど、言ってくれなかっただけでも十分だった。


ログアウトしようとバスに乗り込もうとすると、後ろから私を呼ぶ声が聞こえる。


「私も行きます」


「……え?」


「戦力は少しでも多い方がいいでしょう。おそらく時間稼ぎ程度でしょうが」


「で、でも」


それ程関わりがない人をそんな危険な場所へ一緒に行って欲しいなんて言うことは出来ない。

そう思ってもやっぱり言葉がうまく出せないでいると、私の心情を汲み取ってくれたかのようにわずかに複雑そうな顔をした。


「あまり関わりがない私が行くのもおかしな話かと思っている?」


うまく誤魔化せずに曖昧な表情をすると、「いいんです。本当のことだから」と言った後、何かを考えるように視線をそらされる。


「私は個人的な理由であなたに力を貸したい。だから付き合います」


それ以上は聞いてくれるな。暗に言われた気がしたので、それ以上言葉をかけることなくうなずいた。



一個前が短いので2話更新です

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