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secret GARDEN- Klotho -  作者: 蜜熊
QUEST3: fairytale book (御伽草子:酒呑童子)
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SAVE9:VS

業務日誌あらためメモ


○月@日


業務日誌を書いてきたからなのか、辞めたのにこうやって日記まがいなことを続けている。

今さら辞める理由もないので続けていってもいいかな。


まもなくログインする。仮眠もばっちりしたしクエストの調べものもした。

用意は万全だ。


ネット上ではこのクエストと大典太光世のクエストは危険度も高いと言われているが、逆を返せばそいつらに遭遇しないようにおいしいところだけ掠め取れれば、危険に見合う十分な報酬が見込めるだろう。


一緒に組もうと言った奴は辞めようと言ってきた。


今さらそんな事言われても、と喧嘩になったが、ネット上でPTを探していたヤツがいたのでそいつと参加することになった。


レベルもかなり高いヤツのようだし、もしかしたらかなりラッキーかも。





目印は全身黒づくめの衣装。これなら一発でわかりそうだ。





Phase9


Loading9


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------------------------


頼光たちは、戦支度にとりかかりました。


頼光は、鎧を召し、星甲に、同じ毛の獅子王の甲を重ねて召し、剣を持ち、祈念して進みました。


他のものも思い思いの鎧を着こみ、いずれも劣らぬ剣を持ち、進んでいきました。


広い座敷を通り、石橋を越えて、奥へ進んで行き、やがて座敷の奥に鉄の館が現れました。


牢のすきまから中を見ると、酒呑童子の姿は昼とうって変わっていました。


背丈は二丈あまり、髪は赤く逆立ち、髪の間から角が生え、鬚も眉毛もぼうぼう茂り、手足は熊のごときものでした。


そんな様子を伺っていた頼光たちの後ろからどこからともとなく声が聞こえてきます。


「何者かわからぬが、珍しや。愚かにも、夏の虫のように飛んでくるとは」


酒呑童子はぱっちりと目を見開く。


薄赤く、背が高く、髪は短く切り垂らして振り乱し、大格子の着物を着、紅の袴を着用し、鉄杖を杖にしていた。

あたりを睨んで立つその姿は、身の毛もよだつものでした。


「このような所までやって来るとは、如何なる理由なのか言え」


奥に進んだ先に大きな熊のようにも見える大鬼は、私達がここまで来た理由を面白そうに聞いてきた。

きっと同じようなことを他のプレイヤーにも聞いているのかもしれない。


私達がその姿に圧倒されているのを見て、大きな口を釣り上げる。

その口元からはさっき私がこぼしてしまった酒と同じ香りがすることから、他のプレイヤーがすでに神便鬼毒を使ったことはすぐにわかる。


そのプレイヤーかどうかわからないけど、今目の前にそびえ立っているかのように圧倒するその大鬼を守るように囲む、2匹の鬼に対峙しているPTがここからでも見える。


急いで辺りを見回せば、他にも周りを囲む小鬼に対峙しているPTが数組いるのが見えたけど、それよりも敵の方が圧倒的に数が多い。


神便鬼毒を飲んだはずの鬼達も、酒が入って上機嫌になっているのはわかるけど、それでも前後不覚の状態にはなっていない状態で、巨大な鉄の棒のようなものを振り回していたり、飛びかかってはその鋭利な歯で噛みついていたりしている。


私達がさっきまで坂の中腹部分で時間をロスしていた時に数組それをスルーするようにして坂を上って行ったのはわかっていたから、私達がここに来たのはかなり遅い方だと思っていた。


もしかしたらすでに倒されてしまっているのかもしれない。


そんな考えもあったが、それは全く違っていた。


大鬼には目立った傷はないし、その側近で四天王と言われていた4匹の内2匹は未だ健在だ。


それに対し私達の戦力は10組も満たない。その倍の数のプレイヤーは、倒されている小鬼と混ざるようにして地面に倒れている。


「まてまて、言わんでもよい。そこらの奴と同じように、お前らも喰ってやるからな」


口を開けて笑ったその口元にはべっとりと、真っ赤な血がついていた。



-エリアボス トノ戦闘 ニ 移行 シマス-


- side KUNITAKA -


あんにゃろめ。


と心で毒づく。


あいつのせいで難易度4のクエストが一気に5以上になったのは間違いない。


いや、そんなことはどうでもいい。

そんな面白い展開になるんだったらおれもクエストに参加すればよかった。


賞品なんていらないけど。


久しぶりにあいつと殺り合いたかった。

おれもあいつも結局のところ同じような楽しみ方をするタイプだから、きっとすごく楽しかったはずだ。


神出鬼没なやつだから、なかなか遭遇出来ないのがつまらない。どうして中級プレイヤーばっかり遊ぼうとするんだ。


こっちにこいっての。


(…ま、ええか)


それよりもやっぱり彼女は面白い。さっきから追うようにして見ているけど、まるでこの世界の意思を理解しているような行動ばかり繰り返す。


本人は自分の制御出来ない感情に弄ばれちゃっているような表情をしているから、きっと謝っていたりしているんだろうな。


そこ、謝るところじゃないから。とツッコミ入れたくなる。


まあそれも、もしかしたらこのゲームを遊んでいるうちに自然と捨ててしまう、いわゆる『まともな人間らしい考え方』を持ち続けていられるヤツなだけかもしれないが。


そんなことはどうでもいい。


どっち道その考え方が、内にある大きな力を抱えたままいつまで続けられるか、それも楽しみの1つでもある。


彼女とあいつが出会ったらどんな感じになるんだろうな?もしかしたらもうすでにちょっとやり合った後かもしれない。


彼女の隣にいる・・・そこそこ顔が整ったヤツ(まあおれ程じゃないけど)が持っている武器に、あいつがやったと思う攻撃の跡が残っているし。


観覧が少し遅かった。かなりショック。


生き残っているからきっとあいつのメガネには適ったんだろうけど、一体何にピンときたんだろう。


もしかしてあの“シンボル”を見たのか?確かにあれは凶悪で、それでぞくぞくする。


クソ、気になる。聞いてみたいけど、まあそれは無理だろう。


画面越しに見えるその表情は相変わらず不安そうに隣を見ている。


(ははっ、かわいらしいなぁ)


なんていうの?庇護欲をそそられるタイプってヤツだ。


それなのにあのシンボル・・・まさしくギャップ萌えという言葉が当てはまると思うんだが、使い方があっているかはわからない。


現におれと一緒に仲良く・・・なんて寒いことをしている2人は、『おれが守らなきゃ!』なんて勘違いしちゃっていたりするんだろう。


(そんなら超ウケる)


おれは、と考えて何も浮かばない自分に苦笑する。オーケー、通常運転だ。


(ま、面白ければええわ)


参加出来ないのだから、せめて見せてくれ。


楽しませてくれるのなら、おれもかわいがってやるから。


彼女の隣の制服姿の男がコード化したカードを戻す。

それが一瞬兜のようなものに見えた後、何かの塵のようにそいつの周りを囲い始める。

ははぁ、さっき手に入れた星甲ってのはこうやって使うのか。


中ボスのようなヤツが武器を振り回すがそれが全て覆うように散りばめられる塵によって弾かれる。


きっとこのイベント専用の防御スキルなんだろうけど、確かにあれがあるとないとでは戦闘の難易度がぐんと変わるだろうな。


手に入れたものが圧倒的に有利だけど、取得制限もあるんだろう。

何も早くボスと戦闘することだけが絶対ではない。特にこんな乱戦では、横から獲物をとられるなんてことは珍しくない。


当然その後PKされる可能性を考えていれば、自分より格上そんな馬鹿なことをおいそれとはしないのが暗黙の了解だが。


(…ま、見る限り飛び抜けてってのはおらんか)


彼女は・・・と見て真横からでかいここのボスがその錫杖を振り上げている姿が見える。


(あ、アカンわ)


彼女はそのスキルの恩恵を受けていない。そしておそらく前に手に入れたユグドラシルも防具に付けていないだろう。


そして、あの一撃を喰らったらおそらく、死ぬだろう。


隣にいるガキが声を張り上げる。

うるさいなぁ、公共の場なんだから静かにして欲しい。その隣に座って息を詰まらせたヤツみたいにさ。


(ぐしゃり。と一発かな?)


そうわかっていても、やっぱりおれには隣がうるさいと単純に思う以外何にも浮かばなかった。


いや、何にもじゃないな。


ちょっとだけ、そうちょっとだけ残念に思っている気持ちがあったな。

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