果汁
ケーキのレシピではっきりしているのはパウンドケーキだ。
バターと砂糖と卵と小麦粉をおんなじ重さで混ぜるのだ。
フフフ
ふふふふはは
「ユーリ」
「ぁわぁっ!」
ぽんと頭に手をのせたのはグレンだった。
「こっちだ」
あ、そうなんだ、、、
ん?
「グレン?」
私を抱き上げつつあるグレンに問う。
「いつから、、?」
聞いちゃってたのかな、、
私が言ったわけじゃないけど、なんか、なんかっフォローカモン!
「グレンは」
すうっ
「すっごい素敵だよ!」
で、でてこい褒め言葉っ
「ちょ、ちょっと無愛想で」
褒め言葉!
「黙ってると、怖い顔してて」
ほ、褒め言葉っ、もっともっと、、
「目が糸みたいに細いときも」
もっと
「か、かっこいいから、余計怖いみたいな」
「わかった。」
静かな声で、大きな手が私の口をそっと塞いだ。
わ、わかったのかな、よかった。
ホッと一安心した私の頭をそっと撫でてグレンはゆっくり進んでいく。
あれ、グレンはなんで厨房に来てたんだろ?
もしや
「グレン!大丈夫?厨房に用があったんじゃないの?」
「、、ユーリは?」
「うん。ちょっと喉がかわいちゃって。果汁をもらいに行こうかと思ったの」
ああ、と、小さく頷いて、用意しようという。
「あ、いいの!水があったし。わざわざ持ってきて貰うほどじゃないの。」
持ってきて欲しかったら、部屋にあるベルを鳴らせば誰かが来てくれるし、頼めばいい。
だけど通常私は目を覚まさないので、驚くだろうし、仕事を増やすのも申し訳ない。
そうかとグレンは頷き、あっと言う間に部屋についた。
グレンは私の部屋に入り、ソファに私を降ろして棚から果汁を取り出した!!
部屋にストックが!
いつも、いつの間にか用意されてるから、全然知らなかった、、
今度全ての棚を開けて、中身を確認してみよう。
お菓子なんかもあったりして!
グレンが果汁を持って戻ってくる。
「わ、なんか凄いいい匂い!開けたてだから?それとも当たりなのかな!?」
有難く頂く。
グラスを近付けると、一層と薫りたつ。
「おいし〜いっ」
本当にいつもと同じ果汁?
あれ、グレンが黙っちゃった、お世辞だと思ったの?
本当に美味しいよ!
「グレンも飲んでみる?なんかいつもより香りが良くて、体に染み渡る感じ!」
グレンは私のグラスを受け取り、少し口をつけ、そうか、という。
わかってないみたい、普段飲まないからわからないのかなぁ。
まだ朝まで時間がある、と、グレンが私を抱き上げた、あれ、浮遊感がいつもと、なんか、、あれっ?
なんだかクラりとして、慌ててグレンに縋りつく。
「どうした?」
「ん、なんか、、フワフワする」
「大丈夫か?」
そっと寝かせて、頭を撫でて、額やうなじに触れ、背中もさすってくれる。
多分、眠くなっただけだから、心配 しないでグレンも早くねて、明日も仕事なんだから、、と、言えたのか、言えなかったのか、、




