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カイコ  作者:
45/52

パンチ

野生のカイコ。



また

すぐそばにある暖かい存在に手を伸ばす。


「どうした」


上手く言葉にならないので、代わりに毛並みをゆっくり撫でる。


「ヒトって、なんなんだろ?」


「、、、」


「わたし、、」


「違うだろ」




茶色い毛玉が動き、くるりんと回った。

まさかのパンチ頭?、、、ピーター、あなた、いったい、、





目が覚めた。



なんで目が覚めたんだろ?



グレンがいない!

なんだか身体が自由に動くと思った。


トイレかな?



そう思ったら、私も行きたくなった。


私はトイレは自分の部屋のを使っている。なんと私用に台がとりつけてあって、足がぶらぶらしなくて具合がいいのだ。便座も子供用カバーみたいになってるからはまる心配がなくて安全だし。

もちろん手洗いも、小物いれや棚タオルかけまで私仕様になっている。


至れり尽くせりだ。


鏡に映った自分に、もう、違和感は余り感じない。


時々、きゅんとさみしい様な、なんだかそんな気持ちもするけど、それも小さく、間遠になってる。



「ヒト、、かぁ。」




拭った手を見下ろす。


でも、、ピアス事件の時は、赤い血がでた。


ヒト、、



モヤモヤする。



あの果汁を貰いに行こう。


誰もいなかったら、こっそり拝借して明日謝ろう。


私はなんだか凄い冒険を始めたような、高揚感で足を踏み出した。



廊下は灯りをボンヤリモードに切り替えてあるから真っ暗じゃないし、でも物陰からお化けがでてきて、うなじにふぅうっと息を吹きかけられそうな気配がムード満点だ。


う、やっぱりちょっと怖いな。


この世界にもお化けって、いるのかな。





っと言う間に、厨房に到着。


灯りがついてるし、物音もするから、果汁は簡単に手に入りそう。


お腹空いた、より、喉が渇いた、は恥ずかしくないよね。

ちゃんと服も着てきたし。


よし!





「全くありがたいもんだわねぇ」


「ああ、ユーリ様がいらっしゃる限り、もう水汲みをしなくていいんだから!」


「農家も楽になってるらしいわ」


「しかも、伝説の森の妖精よ」


「グレンさま、、どうやって捕まえたのかしら?」


「捕まえるだなんて、あんた失礼だよ!」


「そうよ、カイコは天から与えられるものなんだから!」


「捕まえたっていうのは、ユーリ様のハートをよ!」


「!!!」


「、、し、しつれいよ、、」


「なによ!あんた達はそう思わないの?」


「、、、」


「ユーリ様は、何と言っても森の妖精よ!加えて神秘的なあのお姿っ。引く手数多(あまた)なのよ!」


「、、!」


「ああ、私も一度でもあの御髪に触れてみたいわ。」




「オイ!出来たぞ!ホラ!あったかいウチに持って行ってやれ。つまむんじゃねえぞ」


彼女達は口々に返事をして声が離れて行った。

夜番の人へ夜食を持っていくんだね。



でもなんだか出鼻を挫かれた。


髪くらい、いつでも触ってもらっても、いいんだけどな。




出直そう。


そっと後じさりする、今聞いたことは忘れよう。絶対グレンには聞かせられない、ショック受けちゃう。彼女達、きっと夜番でテンション上がってるんだ。ちょっとお酒も入ってるとか、ね!



いい匂い。


なんだかお腹が空いた気もするなぁ。



料理


手料理、、


コレだ!!



背中流すのは、なんだか自分がいろいろと流されたけど、これはいける!



何かケーキを作って差入れしよう。





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