ノート ピピン視点
キツい。
部屋に戻り、衣服を緩め、ソファに身を投げだして息を吐いた。
何があったのか、いや、もはや、昨夜も何もなかったのは私には明白だが、朝から悄然とした主。
鬱陶しいが、仕事に支障があるわけではないので放って置くと、昼過ぎに館に戻ると言って執務室から出て行った。
甘めのお茶を頼み、しばし仕事に集中する。
今回の事件の後、移民絡みの問題が懸念されたが、夏の祭りの中のこと、あまり大きな影響は無かった様だ。
私達は移民であっても、税を納め、教会へ入れば、市民権を与えている。
これには根強い反対もあり、今回も、また彼ら反対派を刺激したのではないかと探らせているが、未だ表立った動きはない。
暫くして、主が帰ってきた。
目を通した書類について、しばし報告、決済が必要な事項の期限を確認する。
「で、どうかなさったのですか?」
「、、何がだ?」
全身で聞いてくれと云ってるくせに、焦らすらしい。
「ユーリ様がです。」
主がにやけきった笑いを殺す、不気味な表情になる。
「しるしですか?」
「ああ。」
そういった後、主からコンコンと溢れてくる愛の言葉に溺れる思いで立ち向かう。
聞き流したいが、要領を得にくいが、詳細に知らねばならない。辛い。
つまり。
妻の髪や頬の感触を愉しみながら、その寝顔を眺めていると、手に頬を摺り寄せてきた。
さらに頬を撫で回したり、揉んだりしていると、掌を舐めた、驚きに唇を弄んでいると指に吸い付いた。と。
私は自分がつけねばならない変態じみたノートをしばし睨み、今日のページを開いた。




