野蚕
フフフ。
まだ、隠れてるつもりなら、私からいきますよっ。
ポケットに忍ばせていた将棋の駒をとりだし、狙いを定める。
今は手で投げるよりは、遠くへ飛ばせる。
まず浮かせて、よいしょ。
推定コウムのいる辺りで〜、、
ポトリっ
反応をまつ。
アレ?
外した?
キャンっとか、気づいてたのか、驚かすなよ!とか云ってくると思ったのに。
それとも錯覚で、イタチか何か?
イタチって昼間ウロウロする?
そもそもイタチ、いるのかな、、
いや、キャンはない、、ないない。
よし、仕方ないね。
駒を拾いに行こう。
まだ手元に帰ってくるまでは慣れてない、まだまだ目で見えてないと私には全くコントロール出来ない。
ブランコからよいしょと降りて、しげみの方を伺う、やはり物音はしない、見間違いだったのかな、、
あんなに第一印象悪かったけど、でも、コウムと散歩、楽しかったな。
はっ
わたし、最近すっかり、自立自活路線から離れてる。
結婚したからって、奥様になったって、何もしなくていいわけがない。
私には私のやるべきことがある筈、無いなら何かを任せてもらえるまで腕を磨こう。
だいたい、いくらいいと言われても、グレンが帰ってくるのを待たずに先にグースカ寝てるって、まずそこから、ダメだったんじゃないかな、私。
OOOOOO
ユーリが気になって、館にもどる。
庭には残り香、部屋にいるのか。
もしや、封具に気づいて?
部屋に行くと、封具を入れた箱は昨夜のままだった。
少し安心し、処分すべく懐にしまう。
寝室の天蓋をそっとめくると、こんもりとした姿。
気配を伺うと、眠っているようだ。
そっと髪をなで、頬に手をあてると擦り寄ってくる。
健康状態も精神の状態も良い。
ピピンが受けてきた講義内容からも、ユーリはそろそろ期を迎えておかしくないと思われる。
唾液も毎日しっかり与えているし、それに含まれる私の魔力が一定量を越えれば、彼女から欲しがるようになり、それが時期がきた印になるという。
ただ、彼女は森の妖精、つまり野蚕だ。
そして初めてだ、混濁した記憶にも経験が無いなら、彼女の時期や容量の目安は測れない。
重い息を吐きかけた、その時




