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カイコ  作者:
38/52

野蚕

フフフ。


まだ、隠れてるつもりなら、私からいきますよっ。


ポケットに忍ばせていた将棋の駒をとりだし、狙いを定める。

今は手で投げるよりは、遠くへ飛ばせる。


まず浮かせて、よいしょ。


推定コウムのいる辺りで〜、、


ポトリっ




反応をまつ。



アレ?

外した?

キャンっとか、気づいてたのか、驚かすなよ!とか云ってくると思ったのに。


それとも錯覚で、イタチか何か?

イタチって昼間ウロウロする?

そもそもイタチ、いるのかな、、


いや、キャンはない、、ないない。



よし、仕方ないね。


駒を拾いに行こう。

まだ手元に帰ってくるまでは慣れてない、まだまだ目で見えてないと私には全くコントロール出来ない。


ブランコからよいしょと降りて、しげみの方を伺う、やはり物音はしない、見間違いだったのかな、、


あんなに第一印象悪かったけど、でも、コウムと散歩、楽しかったな。





はっ




わたし、最近すっかり、自立自活路線から離れてる。

結婚したからって、奥様になったって、何もしなくていいわけがない。

私には私のやるべきことがある筈、無いなら何かを任せてもらえるまで腕を磨こう。



だいたい、いくらいいと言われても、グレンが帰ってくるのを待たずに先にグースカ寝てるって、まずそこから、ダメだったんじゃないかな、私。





OOOOOO





ユーリが気になって、館にもどる。

庭には残り香、部屋にいるのか。



もしや、封具に気づいて?



部屋に行くと、封具を入れた箱は昨夜のままだった。

少し安心し、処分すべく懐にしまう。



寝室の天蓋をそっとめくると、こんもりとした姿。


気配を伺うと、眠っているようだ。


そっと髪をなで、頬に手をあてると擦り寄ってくる。


健康状態も精神の状態も良い。

ピピンが受けてきた講義内容からも、ユーリはそろそろ期を迎えておかしくないと思われる。

唾液も毎日しっかり与えているし、それに含まれる私の魔力が一定量を越えれば、彼女から欲しがるようになり、それが時期がきた印になるという。


ただ、彼女は森の妖精、つまり野蚕だ。

そして初めてだ、混濁した記憶にも経験が無いなら、彼女の時期や容量の目安は測れない。




重い息を吐きかけた、その時




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