糸目
目を覚ますと、いつになく神妙な雰囲気の旦那様から、キスをせがまれた。
何?、と思ったが、いつものではなく、私から、が欲しい、らしい。
なんでもないことに思えて頷き、側に寝っ転がっている旦那様へ頬を寄せる。
ちゅ。
ほっぺにキスをして見上げると、糸目顏です、こわい、こわいよ!
す、と指先が私の唇に触れる。
そのあと、彼の唇に触れる。
なに?口と口?
仕方ない甘えん坊さんになったモノだと頷き、また顔を寄せる。
!
なんか、、
やりづらい、、
「目、閉じて?」
ゆっくり首を横にふるグレン。
反抗的だ!
じゃあ私が目を瞑る、、ったら、見えないし!!
ウー、ウー、、ん。
再度顔を寄せ、思いきって、ちゅっ。
ど、どやっ!
まだ、糸目。
もー、なんなんだろう。
どうしちゃったの?
し、した、舌?
したぁっ?
そんなの、したことないよ、されてるけど、、
なんか、悲しくなってきた。
な、なんだろう、悲しいって思ったら、どんどん、目頭が熱く、、
う
「泣くほど、、、か?」
慌てて首をふる。
あきれたの?
子供だから嫌になったの?
そのまま、グレンは行ってしまった。
OOOOOO
なんか気が重い。
ぼーっと独りブランコに乗っている。
なんか、私が悪かった気がしてきた。
キスってしてくるのが、当たり前みたいに思ってたけど、あんなに大変なことだったんだ。
ん?
今、何か視界の端を茶色いものが。
んんっ?
アレは!
あのくりんっとした尻尾と、犬のふぐり。
コウム?戻ってきたの?
わがまますぎて、フェイに愛想つかされちゃったのかな?
あ、それ、今の私、笑えない、、
近くの植え込みの陰にいる。
しばらく待っても、来ない。
おかしいな、目に丸く青痣とか出来ちゃて、恥ずかしいとか。
犬の痣なんて見えないか。
もしやトイレ?
そんなとこで、ダメだよ、、




